アジアのごはん(54)豆乳生活その2

なんか...太った。
いや、ぽっちゃりしたというべきか。その理由は分かっている。毎日、豆乳ヨーグルトをあれこれ試作しては、食べまくっていたせいだ。おまけにガスがたくさん出る。これって、一応女子としてどうよ...というぐらい出る。腸内が乳酸菌で活性化して、大掃除でも始まっているのか。

そうだ、フラクトオリゴ糖が減ってきたから、今度はネットで注文しよう、といろいろ探していると、フラクトオリゴ糖をたくさん食べると、ガスが激しく出て始末に困る...というクチコミを見つけた。あ〜、このガス大発生は、オリゴ糖の食べすぎだったのか。

豆乳ヨーグルトを作るとき、オリゴ糖を豆乳に仕込むと、乳酸菌の発酵がうまくいく。さらにオリゴ糖は腸内でビフィズス菌のエサになってビフィズス菌が大繁殖してくれるのだから、入れないわけにはいかない。オリゴ糖は多糖類の一種で、人間の腸では吸収されないが腸内善玉菌のエサになって腸内環境がよくなるのである。食物繊維のような働きをして、お通じもよくなる。

甘みが薄いのでついたっぷり加えてしまっていたのがよくなかった。豆乳500mlに7グラムくらいが適量らしい。2か月は持つはずの液体オリゴ糖が日に日に減っていき、ひと月も持ちそうになかったので、適量の2〜3倍投入していたことになる。

そういえば、オリゴ糖を入れようとして、うっかりいつもの何倍も器に入ってしまったことがあった。そのままヨーグルトにして食べたのだが、お腹がユルユルになった。ほんわかした甘さが好きだったのだが、適量入れるようにしたら、ガスは出なくなった。さらに、フラクトオリゴ糖よりも、ビートオリゴ糖のほうが体にはいいようだ。ビートオリゴは北海道産の砂糖大根(てんさい)から作られる。人間が甘みを楽しむのはあきらめて、ビフィズス菌のためにちょっぴり加えるぐらいにしておこう。

豆乳ヨーグルトは、いろいろなやり方で試作した結果、米乳酸菌液で作るのがいちばんおいしく、身体に合うことがわかったので、食べる量も一日200mlぐらいになっている。なので、だんだん体型も元に戻りつつある(はず)。朝ごはんを豆乳ヨーグルトや、豆乳と野菜ジュースにするダイエット法もあるというのに、何で太ったのか。これまで朝ごはんは紅茶のみだったのに、豆乳ヨーグルトを朝にも食べ、おやつにも食べ、晩にも食べていたら、まあ太るわね。ふつうに朝ごはんを食べている人が、朝を豆乳ヨーグルトだけにしたら、そりゃダイエットになるでしょう。

豆乳ヨーグルトは、豆乳300mlをちょっと温めてから、米乳酸液を30ml、オリゴ糖を少し加えて混ぜ、一晩おいておく。翌朝には固まっているが、とろ〜んとやさしい味である。もっと酸味がほしいと思い、前の日の昼ごろから早めに作って、常温で長めに置いておいたり、もう一日冷蔵庫で熟成させてから食べるようにしてみた。すると、コクも酸味も出てさらにおいしくいただけるようになった。ちなみに、乳酸菌液を入れすぎると、モロモロになって固まらないので適量を。

豆乳ヨーグルトには、豆腐作りに向いている濃いタイプの豆乳よりも、あっさりした飲料用のタイプが適している。添加物のない、産地のはっきりした大豆を使った無調整豆乳を使おう。いま使っているのは、九州のふくれんの無調整豆乳だ。九州産の大豆で、無添加。濃い豆乳のほうがおいしいかと思って、生活クラブの豆乳で作ってみると、ほとんど豆腐になってしまった。しかも豆臭い。豆腐がないときには、けっこう使えるかもしれないが...。

ふ〜む、この固い豆乳ヨーグルト(豆腐もどき)、乳清を切って水気をなくしたら、カテージチーズみたいなものが作れるんじゃないか。冷蔵庫に放置しておくと、だんだん透明な水分(乳清)が出てくるので、一週間ほど置いておいた。塩を少し入れておくと水もよく出る。水を切ってブレンダーでかき回すと、クリームチーズの出来上がり...あれ、マヨネーズ状になってしまったぞ。

水切りがぜんぜん足りなかったな〜、ぺろりと舐めてみると、んん、これは! 冷蔵庫を開けてマスタードを取り出し、塩麹も少し足して...胡椒は食べるときでいいな、もう一度ブレンダーでひと混ぜ。豆乳マヨネーズの出来上がり〜。ハンドブレンダーを買ってからはマヨネーズを手作りしているのだが、乳化させるために加える油の量がハンパじゃない。マヨネーズとは、ほとんど油なのである。しかし、これなら油分ゼロ。豆乳ヨーグルトを一週間も置いておかなくても、よく水を切ってレモン汁など加えればおいしくできるだろう。

さっそく瑞々しいレタスでサラダを作り、とろりとかけてみる。何にも言わずに同居人に出してみると、「おいしいね、このマヨネーズ。さっぱりしてる」「ふふふ。これ、豆乳ヨーグルトから作って、油も酢もいれてないねんで」「へええ。こっちの方が好きやわ」豆乳クリームチーズを作るはずが、なぜか豆乳マヨネーズになってしまったが、とりあえず大成功。

前回も書いたが、豆乳ヨーグルトの種となる、米乳酸菌液の作り方はいたって簡単だ。お米三合あたり500〜600mlぐらいの水で研ぎ、その濃いとぎ汁に白砂糖15グラム(大匙1)を加えてペットボトルに口ギリギリまで入れ、室温で置いておく。一日一回か二回ふって混ぜるだけで1週間もすればお米に付いていた乳酸菌が増殖して出来上がり。培養中に酵母が入ると炭酸発酵してブクブクになるので、ふたはゆるめておく。

リトマス試験紙でチェックすると、さっと赤くなる酸度になればいい。飲んでみて少し酸味がある程度。ヨーグルトの乳清の味である。出来上がったら、底に沈んだ白いものは酪酸が多いカスなので、上澄みをそーっと瓶などに移し替える。冷蔵庫に入れれば、酵母などが増えて炭酸発酵することもない。

この出来上がった米乳酸菌液は、豆乳ヨーグルトに使うほか、そのまま少しずつ飲むのもおすすめ。冷やして少し甘みを加えるとおいしい。さらに、薄めて化粧水にする人もいるし、部屋やトイレにスプレーして消臭、空気浄化にも使える。うがいや歯磨きにも。乳酸菌は豆乳が大好きなようで、豆乳ヨーグルトにすると乳酸菌培養液よりも十倍以上に増える。これで、ヒバリの腸内はピカピカ、免疫力増大! ...になってくれるかな〜。

米乳酸菌液を作るのは自信ない、という人は、好きな市販のヨーグルト(殺菌してないもの)を豆乳500ml あたり大匙2杯ぐらい加えてよく混ぜ、あればビートオリゴ糖を少し加えて、豆乳ヨーグルトを作ってみてください。乳酸菌は、一種類よりもいろいろあったほうが体にはいいけど、食べないよりずっといいからね。じゃあ、別に市販の牛乳ヨーグルトでいいじゃん、と思うなかれ。牛乳は日本人に合いません。乳脂肪はいろんな成人病の原因となる。豆乳(大豆)は逆に成人病を防いでくれるし、乳がんや子宮がんなどの女性のがんを予防してくれます。さらに免疫力を強めてくれるとなれば、日本中に放射能がまき散らされ続けている今こそ、豆乳ヨーグルトを食べなくっちゃ。

それに、乳酸菌を培養していると、乳酸菌が何だかカワイク思えてくる。最近のうちのペット、米由来の乳酸菌ちゃんです。食べるけど。