112ミドゥー原――いきずたま

還るなき、        還らない
生まれ変わって、   草の刃で刈る
それでも、       終わったの
のこっていたらば、    光どうし
けんかになるさ。      ほたる
いりくちがちいさくて、    夏の 
でぐちのみえない、    鍾乳石の
詩集を書こう、       ぼくら
落ち葉が脱ぎ捨てている、    玉
さよなら。         すたま
時間が落ちてくる、   間に合う?
逢える?       抱いていたら
けさは葉っぱになりました、狐ちゃん
愛してる          草の上


(「いきずたま」は生き―すたま。夢に出てきたもんで、書いとこう。地神が二つに割れて、浮遊する。天災? 人災? いえ、地災です。浮遊する地神が、大きな空から小便をしようとして、もうからだがないんだ。小便のとどかない炉心に、はりついていたすたま。たぶんなきがらだね、狐の。そんな夢、やだな。)