島便り(5)

あれれれ、こんなつもりじゃなかったんだが...。
半年間に島の若者たちが訪ねてくる、友人が移住して来る、屈託なく話す食べる呑むうちに、島でわたしはイワトではなく、カモメという名の集まりを始めようとしているのです。人ごとのような言い方ですが、ホント人ごとのように始めます。

O君はオリーブ会社の広報で、つまり勤め人ですが、実にライブが好きな若者で、年間優に4-5回は自発実行しているらしい。だいたいこの島はイベント好きです。しかも彼は移住から3年目にして島中にネットワークを拡げている。私は彼にいろんな人を紹介してもらった。車で送り迎えつきで。

 なんか俺大きいライブやりたいんです。 わたしはカフェでやるようなライブはやんないよ。
 どこか、ココならってとこありますか。 無理かもしんないけど、ある! そこならやる!

私が密かに使わせていただけるのならやってみたかった場所は、現存している、年に一度は地元民の歌舞伎舞台として使われている、棚田を見渡せる場所にある農村歌舞伎舞台2カ所なのだ。県の無形文化財でもある。ここで野外音楽祭、うたのイワトみたいなのを年に一度3バンドくらいでやれたら、なんか有り難き幸せなんだが、所詮無理だろうと思っていた。

 俺もいつかあそこでやりたかった。やりましょうよ。ウエー、あそこ出来るんかな? 
 これから俺動きますよ。公子さんだったらどんなプログラムになりますか?

そんな話をしたのが4月。で、結論から言うと、来年5月9日小豆島音楽祭「風が吹いてきたよ」@農村歌舞伎舞台 実現できることになってしまった。どこの地方でもそうだとおもうが、島と言っても一様ではなくて、かなり細かく地区/集落が別れている。それぞれ地区ごとに気風が大部ちがうようだ。O君が地区のひとたちに段階を踏んでプレゼン(説得)するまでには3ヶ月が必要だったようだ。私は一度もそこに参加していない。どんな言葉がやりとりされたのかも知らない。

快諾もらいました。という嬉しそうな電話がきただけ。でもそれで充分。実現には問題山積なのは当然だが、音楽祭の準備は幸運をもってはじめる。O君とそして参集してくれるみんなと。

(残暑のため、この続きは次回にします。食品のこと、農産物のこと、イラストインタビューのこと、レクチャーシリーズのこと他進行中のこと、それぞれの人とそれぞれの場所でつぎつぎはじまりそうです。で、全体をカモメと名づけたのでした)