折口はん、あんたのまれびとはうそや
そんなのいいひん、あらへん、神はん
いてはらへん てんのうじの地震
もえつづけて六十九年 えらいこっちゃ
「かなしか、いう奈良の鹿見ゅーと
悲しか、ばい」 阿蘇の神はんと
かなで書くのやー 春日野の神はんと
あれはてたココロをあらそうかなや
ロードクでは、かっこがぬけるで
かなしかのこらん とめたらあかん
書いたらあかん かっこつかへん
鹿がぴー 鳴きます、若草山のてっぺんで
神ばいたいで書くのや 神しばいや
てんまんぐうの道行きや じょーろりや
天魔ばしから、手ぇとって往(い)の
いくののはしは生くの生かぬの
(七月八月、大阪と奈良とを過ぎながら。悲鹿〈かなしか〉)