産直に行くのは、それなりに遠いいので気合いで10日に一度くらい行ければ上々だ。今日は売り場のかごにフェイジョアという実があった。プーンといい香りが漂い、明らかに熱帯の植物のようだ。
島へ来てから見たことも食べたこともない作物に出くわすと、作り方を知らずとも、ともかく手に入れ、焼いたり煮たり蒸したりして口に入れてみることにしている。こうしてまんば、たけのこイモ、チヌほかの魚、いのしし、しかの肉を初食したのだった。
フェイジョアはイチジクのように半分に割ってスプーンですくって食べてみると、ほのかにあますっぱい。色は薄いクリーム色、匂いはかなり強いトロピカルな香り。これは誰もが好む果物とはいいがたいかもだ。私は好みだが、一粒味見した内澤旬子はイチジクの方が好きだと言っていた。しかしこの実は気になる、ちょっと調べてみたら、
フェイジョアは南米ウルグアイ原産フトモモ科の熱帯果樹。現在ではニュージーランドが最大の生産地。一般家庭でも多く消費され、ヨーグルトやアイスクリームなどに加工される他、乾燥させた果肉はフェイジョアティーになる
ということであった。パクパク食べられる実ではないので、ジャムにしてみることにする。
10月からようやくイワトの仕事をスタートさせた。まだここに住むことになるとは思いもしなかった2年前、小豆島の土庄町にあるギャラリーMaiPAMにとても興味を持った。倉を改造したそれはとてもスマートに改築した倉と、もともとの米蔵を生かしたつまりボロのままの倉と2種類の倉を同時に使える展示場。これにわたしが心ひかれないワケはない。その後移住してから島中をみわたしても、ココより魅力的なスペースは、やはりなかったです。
旅の途中でMaiPAMをみたときから、絵本画家のミロコマチコさんの展示をうわーっと想像してしまったのだ。ミロコマチコさんとは一冊目の絵本「オオカミがとぶひ」が世に出る前から小さな展示会があれば通って、その絵に惹かれていたのでしたが、ある日メールを出してとある展示会場でお会いしたのでした。そのときに何も決めていなかったのに、私は言ってしまいました。絵本を作らせてほしい(わたし編集者でもないのに)、展覧会を小豆島のギャラリーでやらしてほしい(まだ小豆島とつながりもないのに)と言ってしまったのでした。ミロコさんはキョトンとそれでもウンと言った気がする。
こういうことは私史上なんどか起こることなので、あとはだんだんに実現していけばいいわけで、山や谷が多いほどそのプロセスこそがヨロコビなのでした。
展示についてはMaiPAMでミロコマチコ展(11月24日まで開催中)を皮切りに来年いっぱい、やらせてほしい企画を5種ほど実現できそうです。そのほとんどが移住後に、あぁやってみたいと思った事ごとなので、これから初めの一歩からの仕込みがたくさんありそうだ。
あぁ、それでわたしとしては一番大きなイベント〈小豆島音楽祭「風が吹いてきたよ」@肥土山農村歌舞伎 野外劇場 2015年5月9日〉の準備にそろそろかからないとヤバイぞ。もう夢にうなされはじめたのだ。棚田の見える樹々の中の古い木造舞台で地元のみなさんや島外のお客さんにゆったり楽しんでいただく音楽祭、あぁ想像するだに嬉しやぁ、、恐ろしやぁ、、、。