グロッソラリー ―ない ので ある―(2)

 1月1日:母親の奇声と同時に、父親なる人の大声も聞こえた。産もうとする母親と産まれよう産
まれまいと相変わらず迷っている僕を応援していた。父親は僕に向け男女兼用の名前を叫んでいた。僕の真価も知らず、それでいて未来に当て込んでいる愚かな
名前であった。産まれている最中に、早くも将来の一部分が完全に断たれた気がした。

┐( ̄ヘ ̄)┌ ヤレヤレ・・・

 度を越した苦労を自慢という悪臭を放って話す人がいる。しかし問い詰めていくと、そこら辺の日常瑣末事のほうが、よっぽど解決困難だったりする。自慢の
大概は似非である。そうまでしないと、自らを悲劇の人物として自らを慰められない卑劣な心根の持ち主なのである。苦労らしい苦労をしている人は、苦労をパ
ロディ化して現在を生きる。

( ´∀`)ケラケラ

 その点、鉄道マニアやバードウォッチングの連中のほうが敏感なんじゃろうな。新ウィーン楽派を痔の真下に敷いて、DVDプレイヤーそのものをたっぷり8
時間見た、このわしのこのわしによるこのわしのための結論がこれだから困っておる。困っております。困ってさふらふ。さんふらわー。おかわりくれよおかわ
りを。

ヾ( ´¬`)ノ_皿_

 ステレオグラムなあたしを見て。

(つω・と){チラッ・・・

 もうね、嫌なんだよ。正月に初詣に行ってバレンタインデーに義理チョコもらって花粉症で四苦八苦してござ敷いて桜を見て梅を見て新入生と新入社員に遭遇
してゴールデンウィークで渋滞して湿度百パーセントの梅雨が来て猛暑日が連日続いてクールビズが終わってクリスマス商戦が始まって年越しそばを食べる。も
うね、嫌なんだよ。

(*´Д`)=3ハァ・・・

 1月1日:まだ今より体が小ぶりで胎内にいる時、父親なる人が人間の生活について話し、産まれたいかどうか自ら判断せよという旨の言葉を送ってきた。し
かしながら僕は第23号ではない関係上、聞かなかったことにしたかった。したかったというのは、聞こえたからには、僕も精神・神経の病を患っていると確信
したからに他ならない。

ε-(;ーωーA フゥ...

 インターネット・プロバイダー・サービスの細胞が臨床に持ち込まれても、たぶんキレまくるんだろ。ポッポー、ポッポーの鳩時計のディヴェルティメント。本
当の顔がひょっこり出たり入ったり。そうして秘密を自らばらし続けたほうが、案外人間としてまっとうなのかもしれん。イェルムスレウと紅ショウガ。いっそ
そのままでいてみろっての。

ヽ(///>_<;////)ノ ヤメテー

 既に読んだ本、まだそうでない本、まんじりともせずにどんどん読んでいった。ほとんど文学部の学生、いや、その中でも本の虫と呼ばれる学生並みに。小
説、古典、評論、原書、図録、実用書、問題集、指南書、漫画などなど。そうして読み始める前に予期した答えに無事に到達して安心する。どんな本も自分の窮
境の何の助けにもならないと。

*:゜☆ヽ(*'∀'*)/☆゜:。*。

 くわせもんよ、ウソをつけ。ちょいなちょいな。ロイヤル・ワラントつきのクレプトマニアのわしがこれから絵を描くぞ。こうやってこうやって。ほれでき
た。六時間かかった。どうだいこれ。パックス・ルッソ・アメリカーナのヴィーガンでさえ、四十七手目であきらめたっちゅうもんじゃ。盗んだ物を盗んだら裏
の裏は表の論理。

ンモォ、、、バカ、、(*μ_μ)r(*-_-)ゞ

 実証主義者は、科学で解明できない事象を認めない。認めたがらない。認めてしまうと科学者ではなくなる。地球上で生起するすべてを科学の力で説明できる
としたら、それはそれで不自然で非科学的だ。反証可能性はどこを浮遊しているのだろう。霊、宇宙人、UFO、これらが人智を超えていないことをどうやって
証明するつもりなのか。

(・∩・)?アレ??≡3

 うからみの/しゃんずらごたんにしるかえば/きょごじんもうの/よみにけこたほ

Σ(´ⅴ`lll)微妙っっ!

 だって三人もいるんだもの。誰か一人は敵になるのが当然じゃて。好事家は胴間声で夜なべの真っ最中ときたもんだ。わしは違う。わしのすごさは今更言うま
でもないが、天才にも一つだけ不可能なことがある。それは自分が天才であることを世に知らしめることだ。そこでわしじゃが......いかん。気づく前から太陽を
直視し続けていたわい。

゚+.(・∀・).+゚.。oO(で?)

 1月1日:僕の知る限り、精神病者は実に穏やかな現存在である。病院の待合室へ足を運べば、誰もが同じ思いを抱くことだろう。したがって僕も静かにして
いなければならない。胎児だからといって泣き叫んでいる場合ではない。世故にたけた赤子のでんぶをたたくというのはどういう料簡なのだろうか。これがいわ
ゆる虐待というものなのか。

‥‥...━━━━━☆o(・o・ ) ハンゲキィ~!!

 時代精神というのは、とどのつまり生活空間なんだな。超越論的に形而下を考えれば、おのが排泄物をアニメ化してはじめて分限を知るってもんだ。3Dで
じゃぞ3Dで。神様、仏様、お客様の言うことにゃ、二拝、二拍手、一杯なぞどこぞのあんぽんたんの所業であるかということじゃ。パラノイアに幸あれ。シュ
レーバーを胴上げせよ。

(●>ω<●)

 ポップな教師の壊滅授業。愛を語りながら放屁。酔って目覚めて晴れ姿。証人喚問にビキニで登場。予告なしにラジオ体操第二。文金高島田の白無垢姿でバク
転。宙吊りなのに優勝。アリの列に参加。トリックアートに間違えられる。つきたい職業トーテムポール。八割がたがアホ。鏡を見過ぎて即死。一見さんが大暴
れ。毛穴開いてまっしぐら。

ぶぁははは (≧Σ≦)b

 ジェットコースター効果と吊り橋効果。他の重大事が自然とおろそかになるほど、特定の異性に愛情を抱いた時、同時に同じくらい愛してもらいたいと願う
時、誰しも言葉や態度の限りを尽くして、愛を手中におさめたいと思う。だがそれは賢い方策ではない。大災厄、大事件が相手に立て続けに降りかかるように仕
向けるのが、最も効果的である。

(人´∀`*)お・ね・が・い

 好みってのはくせ者じゃな。幻灯機の回転やシーザー暗号みたいにゃなかなかいかん。雲を掴んだかと思えば吸い込まれ、吸い込まれたかと思えば十五歳。わ
しはわしで新宿の昭和地下に青い魂を置いてきた。あの頃は総立ちじゃった。したがって明日は我が身、アウフヘーベンしてよからぬ一物がひょっこり花を咲か
せることも十分にありえる。

(。-`ω-)ンー