瓶詰め作業

過去の時間を手繰り寄せている、
過去を結晶にして瓶に詰めている。

土も葉も花の芽も、むかしは全て近い距離にあった。
物理的に近いのではなく、小さな身体(瞳・耳・骨)と共鳴し、
繋がっていた。
成長するにつれ、それらとの共鳴部分は薄れてゆき、
張り巡らされた天蚕糸のような無色透明な線はひとつひとつ切れ、
気づけば完全に分離していた。

あるときから、糸をもう一度紡ぎ直す作業をしている。

瓶に詰めた過去を さまよう星が照らす花の影に蒔くことも 作業のひとつ。

r_1501.jpg