畑に 植えたはずのない草がはいりこんで かってに育っているとしたら
まわりになじめず ちがう感じかたや考えが浮かんで
ふるさとや国に おちついていられない
どこかよそに 自分の場所があるとも思えないなら
ここで めだたないように ぬきとられないように
見えない根をはって ほかの草のあいだに かくれているよりないだろう
ともだちは遠くにいて 離れたところで似たうごきをする
近くにあるもの同士はちがうかたちをとって 補いあうのかもしれない
こうして時はしずかに過ぎる
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ファティマ・メルニーシーを読んで 11世紀アンダルシアのイブン・バーッジャの名を知った バーッジャの本『孤独者の経綸』は近くの図書館にあった ここに書きとめたことばは その本とおなじではない