アジアのごはん(69)恐るべしアスパルテーム

インドに行き、その後タイに戻ってからバンコクの友達マーシャに会った。マーシャはOリングテスト(LET)の達人なので、インドでふしぎな寄生虫とかウイルスとかをもらってきていないか、体の不調がないかをチェックしてもらう。

インドに一緒に行ったうちの同居人は、コルカタでタクシーのトランクに荷物を入れているときに、トランクのふたの留め金がはずれて、どかーんと頭の上に落ちてきて、かなり強く頭を打った。そのことがあったので「頭をよく見てね。それに歳のせいか、最近ちょっと頭が悪くなってる気がするんだけど‥」と同居人のチェックをお願いした。
頭を強打したりすると、その時は何ともなくても、血管に傷がついていたり、血が固まって血栓になって、のちのち病気を引き起こすこともあるので、要注意なのである。

「ん〜、やっぱりちょっと血栓ができてるね。んん? あれ、これは・・」「え、なになに?」マーシャがふしぎそうにチェックをしているので、訊いてみると「なんか、変性たんぱくが、ちょっとこの辺に」と前頭葉のあたりを指す。「ええ、それってアルツハイマーとかを引き起こすやつ?」「う〜ん、他にも何か良くないものが脳に溜まってるなあ、何かなコレ」

ちょっと待った〜〜。食事担当であるワタクシは、安全性のあいまいな添加物や農薬などのない食品を選び、野菜の多い自然な食事を日々作っているし、掃除や洗濯などにも合成界面活性剤や殺菌剤の入らないせっけん、重曹、アルカリ電解水や乳酸菌などを駆使し、旅行中だってなるべく害の少なそうなものを食べている。ジャンクフードなどは基本的に飲まない食べない。

こんなに生活に気をつけているのに、なぜそんなものが脳にたまっているのか。同居人は1年の3分の1は仕事で家にいないし、その間の外食に問題があるのか。いや外食もできるだけ気をつけてはいるはず・・。
「そうだよねえ、変な食生活してるはずないよね。じゃあ何か嗜好品とかは?」「あられが好きでよう食べるけど‥外食は多いけど、割と気をつけてるし、コンビニとかでも新聞とガムしか買わないし‥」同居人がそう言うと、マーシャが「おっ」と言う顔をした。

「ガムって、どんなの」「今も持ってるよ。これこれ」ヒバリもたまに食べるガムなのでカバンから取り出して見せる。お口の恋人ロッテのXYLYTOLキシリトールである。
「もお、これ、思いっきりアスパルテームが入ってるの、知らないの?」「え、キシリトールって歯にいいと思って選んでたんだけど。アスパルテームって??」成分を見ると、たしかに人工合成甘味料のアスパルテームの名前が。どれどれ、とマーシャが同居人の頭とガムの共鳴現象をチェックすると、ばっちり反応した。

アスパルテームは安全性に疑問のある人工甘味料であるが、実のところあまり気にしていなかった。基本的に添加物の入っていないものを中心に食べているし、ダイエットペプシもコカコーラゼロも飲まないし、カロリーハーフなどのような人工甘味料は自分では使わないから、自分の食生活の中に入り込んでいるとは思ってもいなかったのだ‥。
「ガムを噛むと唾液も出るし、口の運動にもなるから、しょっちゅう噛んでたのに〜」体に良い選択と思ってキシリトールガムを選んでいたのに、アスパルテームが入っていたとは何ということか。キシリトールは高価な糖なので、メーカーは、コストを下げるために半分は安価な人工甘味料を使っているのだな。

「アスパルテームってそんなに体に悪いの?」「ものすごく悪いね。脳にかなり悪影響がある。ちなみにほかによく使われる人工甘味料スクラロースはこれも脳に悪いけど、肝臓にもすごく悪いよ」と、マーシャ。これはOリングでのチェックの身体反応の結果からの意見であるから、Oリングテストなど眉唾ものと思っている人はスルーしてもらってもいいが、人工甘味料は動物実験などでも脳に腫瘍ができる研究結果がたくさん出ているのである。脳だけでなくさまざまな病気や不調を引き起こすとされている。

スクラロースとアセスルファムKは代謝されにくい甘味で99%体外に排出される、ということで比較的安全と思われているふしのある甘味料だ。ところが実際は発がん性が疑われるだけでなく、分子が小さいので吸収され血管内を駆け巡り、肝臓と腎臓を通ってやっと尿から排出される。その排出のために肝臓と腎臓が多大なダメージを受けることが分かっている。

ちなみにアスパルテームに関する安全という研究結果はすべて開発したサール製薬のスポンサーの元に出されている。アスパルテームはアメリカで1965年に開発されてから、安全性に大きな疑問があるとしてFDA(アメリカ連邦医薬局)に認可申請を却下され続けていた。ところがサール薬品のCEOにラムズフェルト元国防長官が就任し、レーガン政権が発足した1981年に認可される。その時の新しいFDA局長はラムズフェルトが政権移行時に指名した人物である。この時の局長アーサー・ヘイズはFDA辞任後サール製薬に入社。(サール製薬は2003年にファイザーに買収される)なんてあからさまな政治的・利権漁り。

アスパルテームはアスパラギン酸とフェニールアラニンの化合物で、どちらもアミノ酸にすぎないから危険なわけがないという能天気な化学者の意見があるが、こういう人工化合物で注意したいことは、元が天然に存在する化合物であっても、自然界に存在しないものを合成した場合、それを摂取した人間の体がどう反応するのかは、分からないことだらけだ、ということである。

アスパルテームやスクラロースは、FDAや日本の厚生省などで認可されているから安全だ、と信じて自分の体を人体実験に差し出すのはあまりにもリスクが大きい。国民の健康のことを考えて認可を出しているのではなく、企業の利益のため、利権のために認可を出しているのだから。

バンコクのトップスマーケットに行くと、棚に日本の「のど飴」が置いてあった。何の疑いもなく袋を手に取り、ふと後ろの成分表を見た。「アセスルファムK、スクラロース‥」え、なんでのど飴に!思わぬところにも使われているものなのだ。不安になって、スーパーのガムコーナーに移動し調べてみるとタイ製のガムや口中清涼剤はことごとくアスパルテーム入り。タイでも相当浸透している。

日本で使われているのは、これまでたいがい「カロリーハーフ」だの「ノーシュガー」「カロリーオフ」「ダイエットなんとか」とうたわれる食品だった。ダイエットや糖尿病予防にと思って安易にこういう製品を選んでいると、脳へのダメージ、アルツハイマー、脳腫瘍、へまっしぐらである。それだけでなく、リンパ腫、白血病、目の疾患、甘味中毒、うつ、ぜんそく様アレルギー、胃潰瘍、低血糖症、月経不順、胃潰瘍‥になるかもしれず、さらに腸内細菌構成の変化によって糖尿が悪化するという研究結果まで出てきているので、糖尿病への早道にもなる。砂糖の摂り過ぎは身体に悪いから、と‥人工甘味料を選んだら、もっともっと最悪な結果になる。

しかし、最近はカロリーオフ系でないものにもどんどん使われているので、安心できない。無印良品のはちみつねり梅、アスパルテーム入り。ハウスのカレールウにもスクラロース入りのものがあるし、コンビニで売っているスイーツ、アイスクリームなどにも入っている。飲料にも多い。なかでもキリンは人工甘味料がお好きなようで、午後の紅茶ピーチ・アールグレイ、缶コーヒーの微糖系、スポーツ飲料、炭酸飲料、発泡酒、氷結シリーズのチューハイシリーズなどなど、とめどなく使われている。

糖質ダイエット・糖尿予防・痛風予防に糖質カットのビールや発泡酒が人気なようなので、合成甘味料が入っている製品名をいちいち挙げてみよう。アサヒビール:スタイルフリープリン体ゼロ、クリアアサヒ糖質ゼロ、アサヒオフ、アクアゼロ、オリオンゼロライフ(すべてアセスルファムK)。キリン:淡麗プラチナ ダブル、ゼロ生、オフホワイト、のどごしオールライト(すべてアセスルファムK)。サントリー:おいしいゼロ、ジョッキ生、オールフリー(アセスルファムK)、ラドラー(アセスルファムK、スクラロース)。糖質ゼロ系ビールでは入っていないのは今のところサッポロのみか。アセスルファムKは苦みがあるので、ビール風味を増すのにも便利?

同居人の脳に溜まっているという変性たんぱくについては、アスパルテーム入りのガムを止め、毒出し効果の高いタイの薬草を使って、薬草茶を作り一か月ほど飲んでもらったところ、最近は「なんか頭悪い‥?」と思うことがほぼなくなった。ひと安心である。老化によって、脳の働きが落ちたのかと思っていたが、原因はやはりアスパルテームか。

老いや死というのは誰の上にもやって来る。そのありようは様々だろうが、老いに関してはけっして等しくはない。回りを見わたしてみると、人によってその老いの出方の差はずいぶん大きい。いつまでも若々しく元気な人と、あからさまに身体も心も頭も老いて行く人との差はいったい何から来るのか。その原因のひとつがアスパルテームなどの人工甘味料や添加物などだとしたら? 

大丈夫と思っている食習慣にさまざまな添加物が忍び込んでいるかもしれない。アルツハイマーなどになりたくないと思う人は食べ物・飲み物を買うときには今いちど成分をじっくり観察しましょう。安全性は政府や企業が保証しているから問題ないと思う人はどうぞココロゆくまで人工甘味料をお楽しみください。