夏の帳面

呑み屋、カフェ、古本屋、画材屋。他は思い出せないが、
ずいぶん前から色んな場所を転々として、1日中働いていた。
思うところあって、そうゆう働き方をやめたのは、つい最近のことだ。
いまでも、過去の職場には必要があって訪ねることがある。
そしてそのまま飲み会になってしまうことがある度に、
楽しい人たちは周りにたくさんいると実感する。

突然働くことをやめると、たくさんある時間にうっとりして1日が過ぎてしまう。
全ての動作がゆるやかになり、何かをじっくり考える余白ができる。
ノートに創作の記録(という名のひとりごと)を綴る。
読んだ本のなかから、少し気になったものもたまに書き留めておく。 

国の風向きや、何かの拍子でどこに飛んでしまうかわからない現在、
ひとたび風が吹けば知らない間に方向を変えられている。
変化に気付かないまま、自ら砂漠に入っていく。当たり前のように。
その水、葉、土がどこへ流れてゆくか考えるゆとりもなく、ある一部分だけを見る生活。
  怒りの後ろには恐怖がある
  恐怖の奥には、
  悲しみを帯びた海が広がっている   
            (ある冊子からのメモ)

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