マギさん

笠井瑞丈

チャボのマギさんが他界した

四年前にうちに来てくれてからいつも
家の中を明るくしてくれた存在だった

本当に毛が真っ白の美人の白チャボさん
ちょっと不器用でもう一羽のゴマさんには
よくイジメられたりしていたけど
おっとりした性格で昼寝が大好きで
お気に入りの枕の上でいつも寝てて
飛ぶのもあまり上手ではなく
寝床の場所に上がる時壁に激突したり
夜寝ている時に寝床から落ちたりして
でもいつもゴマさんの後をついて歩き
寝るときはカラダを寄せ合った寝てて
よくゴマさんのカラダに潜り込んだり

思い出すとたくさんのことがあった

そしてそんなマギさんの
調子が変だと気づいたのは
三月の初めのことだ
もともとそんなに
活発的な子じゃないけど
明らかに様子がおかしい
三月に入ってからいつも
机の下だったり
椅子の下っだたり
何か天井のある所にいて
あまり動かなくなった
ご飯もあまり食べなくなり
自分の体の中に頭を潜らせ
ただただ寝ていることが多くなった

そして病院に連れて行った
体温が下がっていてあまり
良い状態ではないとの診断
とにかく温めてあげた

しかしその二日後
夜中バサバサと大きな音が
慌てて寝床を見に行ったら
大好きなゴマさんの横で
息を引き取った
きっと最後の力を振り絞って
羽ばたこうとしたんだろう
まだカラダは暖かく
今その瞬間までそこに
まだ生命が宿っていた

朝まで抱きしめて一緒に寝た
少しづつ体温が下がっていき
うつろうつろ現実と夢との境の中
カラダと魂が分離する瞬間を感じた

僕は浅い眠りの中であなたと初めて会話をした

「一緒に過ごした時間ありがとう
そして本当に大好きでした」と

これを伝えられてよかった



目覚めた時には
腕の中にはマギさんのカラダはあったけど
もうそこにはマギさんはいないと思った
そこにあるのはもうカラダと言う受け皿なのだ
そう思ったら悲しみが込み上げてきた

久しぶりに大泣きした

またお尻をのしのしと左右に揺らし
不器用に歩くあなたの後ろ姿が恋しい

これかも大好きな小松葉を食べ
ゆっくりとお休みください