モギがいなくなって2ヶ月が過ぎる
ナギとハギは変わらずの日々を過ごしている
いなくなってしまった事が嘘かのように
朝は決まって二人の大合唱から始まり
寝床から目をパチパチさせ降りてくる
それに合わせてなおかさんも起床
2人の朝ごはんを準備する
大好きな小松菜をパクパク平らげ
しばらく散歩をしてから
お気にりの枕の上で昼寝
ハッと起き慌てて
トイレに駆け込むかのように
産卵室に飛んでいき籠って卵を産む
そして暗くなればまた寝床に戻る
このサイクルの繰り返しだ
人間の生活とたいして変わらない
以前は箪笥の上に置いた
テレビの上が寝床だった
モギはそこから落下した
その結果具合を悪くした
もうそのような悲劇が起きないよう
テレビを撤去して代わりに丸い籐を置く
そこに引越ししてもらうことにした
気に入らなかったらどうしようと思いながら
最初はテレビがなくなったことに戸惑いながらも
新しい引越し先に夜は自分たちで
戻るようになったので一安心
一週間もすれば大のお気に入れの場所に変わる
今ではずっとそこにいて
あまり降りてこない日もある
気づけば生活習慣になるものだ
モギがいなくなってしまった事も
だだ実在していたものが
今は想像に変わってしまった
時間はそのように
人を割り切らせてしまう
人は時間と共に忘れていくもの
でもきっとまだまだ忘れられない自分がいる