9/2 火
昨日発売のブルータス、特集は太呂さん監修の釣り。公子さんは昨日から東十条中のコンビニを歩いて回るが一向に見つからん。ブルータスはこの地に用がないらしい。今日も暑いが私は本を返しに図書館へ行かにゃならん。借りた本を山程持って行き、帰りにコンビニに寄ると、なんとも涼しそうな緑のカバーのブルータスがあるではないか!王子にまでは来てたらしい。ともかく次の号が出るまでに手に入って一安心。
9/3 水
今日は劇場の初日。1ヶ月ずつ1つの劇団の公演やし、今日から1ヶ月の間お世話になる。劇団さんによってこんな雰囲気違うのね…!と、まだ数日しか働いてない自分でもなんとなく違いを感じる。お客さんもガラッと変わった。同じハコやのに、来る劇団によって色々と変わるから面白い。今月の劇団さんは一切のSNS写真投稿が禁止らしく注意書き満載で厳しそう。無事に千穐楽を迎えられますように、とお稲荷さんにお願いした。
9/13 土
昼一の黒門亭寄席、伝輔さんが10月公演でやる演目、和田誠作『鬼ヶ島』をやってみるらしい。前回やってもらったのは、かれこれ1年以上前。果たしてどんな演出がされているのか、期待と不安の心持ちで御徒町へ向かう。せっかく出かけるのならとまずは気になっていた日本画材屋、喜屋さんへ。狭いビルに所狭しと画材が詰め込まれた夢のような場所やった。顔彩を少しと筆を一本買うて、ちょっとみつばちへ寄り道。甘味とミニうどんがセットになったおうどんセットをいただいた。このおうどんが最高においしく、お出汁のうどんを東京で食べれると思わへんかった!とこっそり感動した。お腹もええ感じに起きて黒門亭へ。数年ぶりの鬼ヶ島はものすご分かりやすく、そして面白くなっておって嬉しなった。お客さんらもガハハと笑ってはって私まで最高の心持ち。終わってすぐに公子さんへ興奮気味に連絡を入れた。10月10日にhoro books演芸部主催の落語会でやってもらうので、ご興味ある方は是非に。
あ~よかった~という気持ちで帰り道、燕湯へ。朝湯を毎日やってはるからお昼過ぎでも開いてるのがありがたい。おやつの時間に風呂行く人おるんかしら…と思いながら行くと、案の定風呂場におばちゃんがひとりいるだけ。男湯からはちょっと賑やかな声が聞こえてきた。番台のおっちゃんは眠たそう。先にいたおばちゃんも早々に上がって完全に貸切風呂!最高!!いつもはとっとと出る脱衣所で、ひとりうちわを仰ぎながらほてった体を冷やし、コーヒー牛乳までゆっくり飲みほした後、居眠りしてはる番台のおっちゃんを起こさんようにそうっと出た。湯島から御徒町まで満喫した楽しい1日やった。
9/15 月・祝
明日と明後日は劇場が連日休演ということで、みんなでメシに行こう!と若女将から連絡が入った。こういうところはほんまにケチケチしてなくて最高。みんなが仕事終わりで来る中、シフトに入ってなかった私は家から中華屋に向かう。深い時間になると酒も入り、普段話したことない人ともちょっとは話せてよかった。
9/16 火
ようやく風が少し涼しくなってきて、公子さんの体調も回復してきた。最近は近くの図書館へよう行ったはるし、十条の方まで歩けるかも …?と今日は十条駅近くのちぃこい回転寿司屋で夕方待ち合わせ。公子さんはお昼過ぎに東十条の商店街の方も散歩しながらぶらぶら十条の方へ。私は昼寝して後から家を出る。演芸場の前を通って十条の方へ向かうと、昨日隣で飲んでた裏方さんにばったり出会う。寝起きでちょっとぼんやりしながら話して商店街の方へ。うわ~近場でばったり会うような知り合いがこの町にできたんか~とか思いながら寿司屋で公子さんと並んで食べてたら、なんとぷらっとひとりで入ってきたのは社長!もうお互いにびっくりして笑うしかなかった。
9/20 土
前職の同僚たちが十条へ遊びにきてくれるというので昼前に駅までお迎えに行く。元気そうな顔を見れて何より。喫茶店へ入って数時間あれこれ話した。新しい職場も案内して、描き文字で作った劇場前の垂幕を見せる。実はずっと使う劇場案内の垂幕のデザインをさしてもろて、ちょっと描き文字入りで入稿した。自分の字がこうやって飾られるのはむっちゃ嬉しい。それを喜んでくれる人がおるのもまたありがたい限り。今度来るときは芝居を一緒に観て、その後飲みに行こう!と約束して夕方別れた。
9/21 日
今日も演芸場で小屋番の日。デザインの仕事がちらほら入ってきて忙しい。とにかく色んな方面への連絡が多い職場で、来月以降の諸々が水面下で常に動いておる。デザインする細々したものが無限に出てくるので、作業してると流れてくるように次の仕事がどんどこ入ってくる。事務所でパソコンを睨んでいると若女将からみんなに連絡が…「今日のお昼はサンマです。あたたかいうちに食べた方がおいしいですよ」。仕事もそこそこに、すぐ向かうと、まかないメシにひとり1匹ずつ、初物サンマの塩焼きとあったかい大盛りごはん!それだけで、なんて最高の職場!
9/25 木
来月から始まるhoro books演芸部主催の落語・講談会で使う布を買いに日暮里へ。布の問屋街は初めて行ったけど、目移りしかせぇへんくらい色とりどりの布がいっぱい!服飾学生と思わしき若者が、ロールの布を抱えて楽しそうに喋りながら裁断を待っておった。公子さんと一緒に良さそうな色の布を選んだはいいが、こうも暑いとちょっと歩くのでもくたくた。東十条まで帰って、ふたり並んでソフトクリームを食べて回復。いよいよ公演日が近づき、予約されるお客さんも増えてきた。着々と準備が進んでおる。
9/26 金
早朝にソラちゃんがにゃあにゃあと自己主張しながら帰ってきて、その声に起こされて1階へ降りていくと、公子さんがホットケーキを焼いてはった。今日も小屋番、昼飯はたらふく食べさしてくれはるんやけど、公演時間の関係で食べるんはちょっとお昼をすぎた時間。その分朝飯はしっかり食べて昼過ぎまで動けるようにしていく。熱々のホットケーキが焼き上がって2枚も食べる。公子さんは小さいの1枚、ソラちゃんもおんなじ机で朝ごはんを食べておる。みんなが食べてると自分も一緒に食べたなるらしく、今日初めて食べます、という顔で本日2食目を食べておった。
9/28 日
今日は千穐楽。昨日あたりから満席状態ですんごい人。今日は昼の部だけで終わりやし、御贔屓さんは必死のパッチで来たはった。連日通っていた方々も1ヶ月の大仕事が終わったという感じで、寂しいけどもやり切ったという達成感を口々に話してはった。劇場にくるお客さんは劇団さんによってむっちゃ変わる。今月の劇団贔屓の方は次の旅先へ一緒に行くのやろう。この千穐楽、私にとっては初めて初日から見てきた劇団の長い公演の最終日で、劇団さんともお客さんともお別れのようなちょっと切ない気持ちやった。最後の公演が終わって恒例の大掃除にかかるとそんな感傷的な気分もどっかへ飛んでゆき、ホコリにまみれながら隅々まで掃除!今月も無事に乗り切らせてくれた劇場を労わり、次もよろしゅうにとお願いする。来月はどんな劇団が来て、どんなお客さんが来はんねやろか。既に予約の電話でいっぱいの日も結構ある。次の出勤には中も外も、飾られるものがだいぶ変わるし楽しみや。
9/29 月
お稲荷さんの参道にある石鍋商店が、秋になって酒まんじゅうを始めたというお知らせを見た。これは行かねば!と朝っぱらから散歩がてら買いに行く。昨日の今日で疲れてても、わざわざまんじゅうのためだけに動く食い意地は残っとるみたい。ほのかにまだあったかいきつねの焼印が入ったまんじゅうは、皮が甘くて素朴なやさしい味でむちゃくちゃおいしかった。
夕方に伸びきった髪を整えるべく美容室へ。その前に喫茶店で本でも読むか…と入ったら、隣の席のおばちゃんたちの会話の方がおもろくて聞き入ってしまった。ずばりAおばちゃんがBおばちゃんを熱心に改宗中。Aおばちゃんに全く悪意がないようなのがまた厄介で、Bおばちゃんも無碍にすることもできずむにゃむにゃとお茶を濁す。行ったり来たりの会話ばかりを繰り返し、結局終わりまで聞くことなく美容室の時間になり店を後にした。あのBおばちゃんはどうなったんやろか…?
9/30 火
やることが多すぎて、なんで9月って31日ないんやろ?と真剣に思う。あと1日多かったら全然違うのに…とは言っても残念ながら今日が月末。早朝、頭が元気なうちに落語会でもらう助成金の書類を片付け、チラシの進捗も確認して仕事の波に溺れそうな自分を落ち着かせる。公子さんは昼前に打ち合わせへ。私は落語会で使う音響を教えてもらうべく、哲さんがうちに機材を持ってきてくれるのを待つ。お昼に来はってまずはふたりで弁当を食べ、そっから色々と教えてもらった。来月の公演にはいつもお世話になっとる哲さんが来られへんし、私は宣伝美術だけでなく設営から音響まで何でもやる裏方。あっちゃこっちゃやけど、ごっちゃにならんようにやることちゃんと整理しとかんとね。