レーベルをたちあげる、たちあげてしまった 1

仲宗根浩

五月、十一時半に一恵先生宅に入り、まず掃除。楽器を前回と同じようにセットしたりしていると午後からみなさん集まってくる。今回は映像も撮影するのでカメラのセット。他いろいろとこまごました準備をし先生も揃い、リハをかねて録音一回目が始まった。柱が倒れたりしたので先生の希望に沿って十七絃の柱の並びを少し糸を緩めながら変える。録音二回目は問題なく終わる。少し休憩をした後、三回目の録音。この時わたしが録画用のカメラの録画ボタンをちゃんと押してないことがあとからわかるヘマをしたので全体の三分の二しか録画されていない。

全部のセッションが無事終わり、撤収後解散。翌日には沖縄に戻り三日間実家の引っ越し作業。録画した画像を送ったりしたあと、今回録音した音源と2017年杉並公会堂での沢井一恵による杉山洋一作品展の音源もありこれらを形に残せないか、杉山さんからメールをいただく。何回かやり取りし古い伝手を頼りにいろいろ話を聞いてみたが難しい現状が見えてくるばかり。ある日、そういえばと思いオーストラリア在住の内弟子だった小田村さつきがCDをオーストラリアで制作していてプレス枚数とプレス代を聞いたところ500枚プレスで2,000豪ドルだと返事が来た。その時のレートでだいたい二十万円。えっ、今時そんなに安いの、と思い国内のCDプレス業者を調べてみるとまああるある、格安業者なるものが。プラスチックケース、ジャケット印刷込みで二十万円、他に紙ジャケ、デジパック仕様色々と。で、CDの制作など未経験なのでどこかにお願いしようとCD制作も行っている市内の某レコーディングスタジオにお伺いしたら体よく断られたがプレス会社を教えてもらう。その会社のホームページを見ると、オンラインショップのみだが流通も行っている。だいたいの必要額を計算。このお金をどこから捻出するか、自由に使えるお金はあるのか。あった。年金、個人年金が。どうせ仕事してるし、今は余っているお金、良からぬものを買うよりこれを元にCD制作しようと思い立つ。

で、年が明けてレーベル起ち上げを杉山さんにメールする。それから2015年の「沢井一恵 箏 リサイタル」のCDと重複している曲が二曲あるので権利関係の確認から始めてこれは問題なし。マスタリングしてプレス会社に納品しなくてはいけないのでこれは櫻井さんにお願いして、デザインは昔CD屋時代の同僚でWEBデザイン、ジャケットデザインもやっているものに依頼する。CDのケースは輸送中割れるのが嫌なのでデジパック仕様、他使用する写真、ブックレット等のおおまかな事を考え、ここまでの二月の作業。