光の束

璃葉

海の底で目が覚めた
先程まで水槽のような部屋で眠っていたのに

桜色の鯨が行き先を訊いてきた

光の差す方へ行きたい
海の中は暗いから

鯨は唄いながら私に教えた
  
 陸も墓のように暗いが
 光の束が行進している
 黒い影に向かって
 何かを止めようとして

灰にも塵にもならない沈んだ船と共に埋もれる前に
地上を探して浮き上がる
水面から見た地上
空は黒く煙が噴いている
      
陸には小さい光の束
祈りながら歩いているそれは
輝く星のような人の行列

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