旧盆

仲宗根浩

八月十九日の朝、八時半頃電話がなる。実家から、今日お墓の掃除に十時に行くと。

すっかり忘れていました。旧暦の七夕はお墓の掃除をし、お花、お茶、お水をお供えしてお盆を迎える準備をするのです。こちらでお盆は、旧暦の八月十三日にお迎えをし十五日にお送りします(地域によっては十六日にお送りするところもあるようです)。お盆の三日間は親戚をまわり、お中元を仏壇にお供えし、手を合わせます。夜は離れて暮らす兄弟姉妹実家に集まり食事をしますので賑やかになります。今年はお盆の中日に姉ふたりが沖縄で一番有名な斎場御嶽(せーふぁうたき)にまだ行ったことがない、というので島の南部、久高島が見えるところまで行ってきました。わたしが以前行ったときとは少し違い、新しい道路が造られ、御嶽の前には建物ができ、市町村合併で市となって御嶽を含むいろいろな聖地が観光資源となり、それらを紹介するパンフレットが用意され、別料金でガイドの方もつけることができるようになってました。

帰りに通った国道五十八号は普天間基地でのイベントのため、それにに向かう車で上り、下りとも渋滞。やっと抜け沖縄市に入ると、今度はエイサーに遭遇。お盆の三日間、夜は各シマの青年会がエイサーで練り歩きます。太鼓、三線の音がどこからか聞こえて来て、音が近付くとそれをたよりに外に出て見物に出るひとたち。しかし最近は太鼓の音がうるさい、と苦情が出るそうで、練り歩くコースを変更したり、別のシマと遭遇したときの競い合いが無くなったりしてるそうです。せっかく御先祖様にむけた唄と踊り、太鼓の音なのに、生きている人の都合に合わせるのはどこも同じか。

ちなみに道を練り歩くのを「道ジュネー」、競い合いを「オーラセー」とか「ガーエー」とか言います。以前、ある青年会の何十周年かのお手伝いをしたとき、青年会 OB の方々が多数いらして昔はオーラセーが熱を帯び、エイサーのオーラセーではなく本当のオーラセーになったことも多々あったそうです。