ロックは続く

若松恵子

ロックっていいな、なんて素直に思うライブを続けて見た。

ひとつめは4月26日のChar×Chabo。Char(チャー)こと竹中尚人とChabo(チャボ)こと仲井戸麗市、大好きなギタリスト2人が競演するうれしいライブだった。「宝箱」というタイトルが付けられていたのだけれど、2人が気に入っている内外のカバーも含めてカッコいい曲が、カッコいい演奏で次々繰り出されて、楽しい3時間だった。「チャーがいるから日本のロックは偽物じゃない」と大村憲司(YMOにもゲスト参加してたギタリスト)が言った言葉をチャボが紹介していたけれど、ギターのうまさだけでなく、歌われる言葉の中にも、借り物ではない、ただいま現在のロックを感じさせるものがあって心打たれた。ローリングストーンズのカバーも多く演奏されたのだけれど、年を重ねることで深まったようなギターサウンドに思わず踊ってしまった。ロックにとらわれ続け、ギターを手放さずにきた2人だからこその厚みのあるサウンドだった。それを浴びる幸せ。ドラムが古田たかし、ベースに澤田浩史、キーボードにDr.kyOn 、このメンバーでフジロックにも出演するそうだ。

もうひとつは翌4月27日のアラバキロックフェス。土曜の夜の最後のプログラム「SATURDAY NIGHT ROCK’NROLL SHOW」。宣伝文には「時代を超えて進化し続ける日本のロックンロールのレジェンドたちが、ここに集結。ロックンロールサーカスのように1つのステージの中、流れるようにゴキゲンにアラバキの土曜日の夜を熱くします。ヒリヒリとジワっと燃え上がるサタデーナイトロックンロールショー!」とある。陣内孝則のロッカーズ、池端潤二のドラムでHEATWAVから山口洋と細海魚、ROCK’N’ROLL GYPSIESとして花田裕之と市川勝也、麗蘭の仲井戸麗市、土屋公平、早川岳晴。それぞれ30分くらい演奏していった。それぞれのロックというところが良かった。アンコールではニールヤングやルーリードのカバーが演奏されて、ここでの演奏もまた自分のロックになっていてかっこよかった。私のアイドル達も、レジェンドなんて呼ばれてしまう年代になってしまったけれど、今も色あせないロックスピリットに魅力を感じる。仲井戸麗市がアンコールで花田裕之を呼び込む時に「ただ突っ立ってるだけでかっこいい」と紹介していたけれど、それがロックの王道というものだろう。偶然居合わせた若い人たちにも伝わるといいなと思った。