七曜のうた(日曜はじまり)

北村周一

日曜の
  G.Gデーは
       混むのよね
            ひとりだいどこで
               はげむ数独

月曜日 
  月イチひらく 
       読書会の 
          ありてZOOMで 
           かたらうカント

  あすは
火曜
  特売にして
  気兼ねなく
       食すつまみの
       カニふうみ味

水曜日 
   接種にむかう
         小市民
            われらいちにの
             つごう三度目

        ぷらすちつく
  ゴミの日たのし
木曜日 
  スキツプふみふみ
        収集車もくる

       循環する
       たましい 
        ユメに
      あらわれて
        目眩い
       はじまる
金曜日の
    あさ

土曜日は
    LINEにのって
            会いにゆく 
                 二年以上の
          無沙汰わびつつ

安息日 
    すこしの酒に
          酔いしことも
     恩寵にして
          フロは止めとく

月曜日
   見てしまいたり 
         分別は
   ゴミ出すときに
         ふともあらわる

   火の曜日
火曜日ともよび
   気前よく
      独裁者たちが
      火種を播く日

水曜日 
  『一月万冊』
   動画にて
      みつつ微睡む
      春ちかきかも

木の曜日
    焚きつけながら
           機嫌よく
    火器もてあそぶ
           改憲論者

            平熱に
         もどりしくちに
      ふふましむ
   熱き燗酒
聖金曜日

    空の青 
      金の麦畑 
    青黄旗
      てにてに集う
土曜日の街

よき道具
   もてばやっぱり
         つかいたく
             なるのが道理 
                  火器の類も

   波のまに
     ゆれる月かげ
   妖しきに
     あいてもとめて
 さやぐ太刀魚

青いままに
    消えゆく
春のつめたさよ 
       野原よ野原(ポーリュシカ・ポーレ)
いくさは死なず

長調の
   おうただったよ 
正調の
     露西亜民謡
      一週間は