どうよう(2023.05)

小沼純一

きょうからむしたちがなきはじめた
きのうとなにがちがうんだろう
ないてるのはすこしいた
ちがうんだずっとずっとおおいんだ
ずっとずっといろいろだ
ひはみじかくなってきてる
ひとがわかるのはそれくらい
すこしすずしかったかもしれない
あめもふったかもしれない
あついのはあまりかわらない
かわらないみたいにおもえるのに
むしたちはわかるんだきづくんだ
いっせいに

かんじることいっぱい
おもうこといっぱい
いろんなとこがうずまいて
おさえるだけでせいいっぱい
ぐっとのみこみのみこんで
かたちだけでもそれなりに
けんえついっぱい
うそもほうべん

くちにしなけりゃ
おなかいっぱい
やりすごすのはできても
いっぱいどこかにあながあく
いちょうのけんさは
このきずあとをかぞえるため
ほんと 
うそ
ほんともうそもそもって
ついくちさきで

よくいきてるっておもうよね

まだ
まだなの

なにもいってないよ
だれかがいってる
じぶんでいってる

じぶんがいちばんいやになる
することない
むりできない
することあってもできやしない

まだ
まだなの

いつ
いつまで
きになっても
こればっかりは

いってるじゃない
じぶんで
だれかじゃないよ

まだ
まだなの

よくいきてるっておもうでしょ

やりたいことしかしたくない
やりたくないことしたくない
やりたいことなどなにもない
やりたいことなどあるものか
やりかたばかりこきように
やりたいほうだい
やりがいなんてかいしらない
したくないことしたくない
したくないからなにもしない
したくしないとなにもしない

こちらにそのきはなかろうと
からだはかってにいきをして
なにかをみみはきいている
なにもしたくはないからに

しれとこ とこさん
しろぬき くまさん
ちずでさがしてしゃしんみて
よるにはまちをゆめにみる
はんとう いったことないとこばかり
せかいのほとんどそうだけど

しれとこ とこさん
しろぬき くまさん
しろくまさんではないけれど
ひぐまさんたちそばにすむ
たがいにいるなとおもってる
ひととひぐまのしれとこしゃりまち

しれとこ とこさん
しろぬき くまさん
うみにつきだすもりとまち
ひととくまさんしゃけをわけ
やさいとくだもの かわるいろ
いまかさきかとまっている 

しれとこ とこさん
しろぬき くまさん
地図で探して写真みて
夜には町を夢にみる
半島に行ったことはないけれど
世界のほとんどだっておんなじ