虎か

芦川和樹

虎か
綿菓子の雛
知らないテーマパークのマスコット
指に嵌める人形つまり指人形
毛蟹
ゴスペルを歌う雲。雨雲、なにも
なにも習慣にならないままで
根こそぎぜんぶを
かかえてさ
加速だとか、加熱。する
脚を、くだらないと思いますが
ロールケーキに付け替えます
ほらくだらない、あほ毛
になってシュルシュルいう
弱らないいきものは
完璧な記憶と
完璧な布 の端にすわった火を、}食う

かさぶた
打撲、膝ぶつけた
小指がいたいのは
脱走したマスカットの肌皮膚を
つかんで
うばったからさ
虎か、ずっと先の、虎だね
盗んだ金を見ろよ
盗んだ金だろ
壊したもの
1000まで数えて
目を閉じなさい、つねる
呪いさ
呪いじゃなくて
ただマグカップは
落ちたんだった
ふちが、欠けた
胡桃
く、、、うしなうわけではないでしょ
胡桃を、割って
香辛料が手に入る。なにも、うしなうわけ

ないでしょ。厚手のスウェットを、}何度もくぐって、これは移動なのだから。カラフルなシナリオだったのね。わずらわしい、雲の複雑が、あたまに載っかっている。冷蔵庫に梨があるとか、鉛筆が煤けた頬を得意げに、閉じた目に、そのペットボトルの内容を。