四月になれば

仲宗根浩

1981年のサイモン&ガーファンクル再結成のライヴのバックのドラムが全部スティーヴ・ガットと思っていたのが久しぶりに映像を見て違うことがわかった。バスドラムのロゴがTAMA、ガットであればYAMAHAのはず。他のメンバーもスタッフ及びニュー・ヨークのミュージシャンかと思ったらベースはアンソニー・ジャクソン、エレピを弾くリチャード・ティーだけが記憶と合致。スティーヴ・ガットは途中から参加。だからドラムセットが二つか。リチャード・ティーはアコピではなくYAMAHAのCP80。記憶は曖昧なもので、ましてや自分の記憶となると、共有していた者と記憶していた出来事が違うことはたびたびあるし。このライヴの「明日に架ける橋」のリチャード・ティーの演奏を聴いてピーター・ガブリエルが自分のアルバムに参加を願った曲が「Don’t Give Up」でアルバムを聴いたリチャード・ティーが自分の演奏が全然違う音か何かにされてしまった事をインタヴューで怒っていたのを読んだがそれもあやふやな記憶。YouTube探索はCSN&N、ニール・ヤングを経てジョニ・ミッチェルの1967年の動画を発見しキャロル・キングとジェームス・テイラーのライヴにたどり着いた。この時代のミュージシャンは当て振りや口パクがないからうまいや。

子供ひとりが上京し、こちらは三人家族となった。要らなくなったものをどんどん処分しはじめたら一番やっかいなのが学習机というやつで、分解するのにかなり手間取る。夜中に、安全のためか隠されているネジを突き止め独りで持ち運びできるようにし、部屋からなくなるとすっきりとし、本も自由に取り出せるようになったが、収まりきれないものがまだまだある。捨てるものがまだまだある。

外は選挙、選挙。ネガティヴ・キャンペーンの張り紙に辟易。保守と革新で相変わらず。終わっても張り紙だけが残っている。いつになったら片付けるのだろう。