十一月になる と毛布を出し

仲宗根浩

冷えてきた、といっても仕事場では半袖。家では長袖だったり半袖だったり。外に出ると着込んだ人、Tシャツの人がごっちゃ。

休みの日、いつものように明るいうちからの昼酒。試しに買った、紙パックの泡盛の菊の露。まずい。紙パックの匂いが酒にうつっている。やっぱりちょいと高くても瓶じゃないとだめだ。紙パックのものを空いた一升瓶に移したがすぐには紙の匂いは消えない。もう買わないぞ。瓶だと酒屋さんは空き瓶、十円で引き取ってくれる。むかしは空き瓶屋さんがあってなんでも瓶を集めては小銭にしていた。あの頃何セントで交換してくれたか、忘れてしまった。

で、お昼ごはんはどうしよう。奥さんはこどもの学校のボランティアでまだ帰ってこない。帰る前に洗い物を済ませ、たまにしかやらないお昼づくり。賞味期限が三日過ぎただけの焼きそばが冷蔵庫にあった。適当に野菜を出してきざみ、ツナ缶のオイルはフライパンへ。野菜、ツナを炒める。レンジで麺を温めほぐし入れる。焼きそばの袋に入っている粉末ソースを入れ、なじませながら、フライパンを返すと具がちょいと飛びコンロの横に。こういうのは少しやらなくなるとすぐ下手になる。できた頃、奥さん帰宅しふたりで食らう。食らったあとテレビをだらだら見ていると小学生が帰ってきてしばらくすると中学生も帰ってきた。それぞれ勝手に遊んでいる。小学生はフェルトを使って母親と何やら作り始めた。こうなるとこっちが晩ごはんもつくらなくてはいけないので準備する。冷蔵庫にある豚のばら肉と野菜を炒める。調味料は冷蔵庫に余っているわけのわからないタレとか油味噌片。付けるために全部入れる。味見をしないで出来上がったものを食卓に出す。こっちは呑んでいるので昨日のあまりもののサバの煮物をつまむ。誰も文句言わないので大丈夫なんだろう。冷蔵庫の中がちょっとすっきりしたけど、冷凍室にはなんか得体の知れないものがまだ何かある。