みぞれ、雪。

仲宗根浩

月末、今年初めて車のガソリン、満タンにする。いつも入れるスタンドは車検をそのスタンドでやると車検割で1年間ガソリンがリッター7円引きになる。で、リッター税抜き九十円。ちょいと前の軽油の値段じゃないかと、ここまで安くなっているとは。

お正月は暖かい。元日は実家に行き、揃ってお仏壇に新年のごあいさつ。お正月の料理はだんだんと沖縄らしさがなくなってきている。昔からあったのは田芋の田楽くらいだろうか。子供のころ、お年賀の挨拶に父親と親戚まわりをすると子供が口に合う甘いものといえばこれしかなかった。

暖か暑い日が過ぎたあとで、いきなりの寒気とかで四、五日寒くなる。最高気温が十五度でも寒いと感じるが今年は十度前後の気温でみぞれが降り、本島で観測史上初めての雪となった。本土が寒くなると、こっちも寒くなる。部屋のなかの温度計が示す気温はシンプルに夏は三十度、冬は二十度と決まっていた。まあ、すごい寒気とやらであまり正確とはいえない温度計が示すの十八度。翌日は十六度。外は強風に雨。うっ、寒い。この寒さで沖縄から熊本へ引越して初めて迎えた冬のこと思い出した。学校の運動場で遊んでいたら初めて雪を見た。風が強く雪は横に降っていた。雪は降り積もるものだと思いこんでいたが、横なぐりで積もらない雪だった。初めて体験する本土の冬に手はあかぎれで毎日軟膏をぬり、霜柱を踏み潰しながら学校へ行った。

この寒気のなかエアコンの暖房すらつけないで、着込んで布団にくるまるだけで過ごす。みぞれが降り、本島では初めて観測上の雪となる。みぞれが雪と観測されるのを始めて知る。