7月最後の月曜日に、渋谷のライブハウスで泉谷しげると仲井戸麗市のライブを見た。
会場となったCLUB QUATTROの30周年企画。久し振りの競演だったが、変わらない2人の少年心に打たれた夜だった。
1970年代、渋谷にあったライブハウス「青い森」に古井戸というバンドで出演していた仲井戸麗市と、客として来ていた泉谷しげるが出会う。RCサクセションで出演していた忌野清志郎とともに「またあいつ来ている」と噂していた変な客だった泉谷しげるが、店のオーディションを受け、出演するようになる。初めて泉谷の舞台を見た時の印象を「何かチャーミングだった」と仲井戸は語っていた。世の中には乱暴者のように伝わっている泉谷の印象だが、彼の歌に、彼のほんとの姿を見たのだろう。自分を理解してくれている人、仲井戸麗市との共演に、泉谷しげるも本当にうれしそうだった。
照れずにまた歌えよ。チャボ(仲井戸麗市)が添えるギターはそんな事を言っているようでもあった。今の時代にも古びない、いい詩だなと思いながら泉谷の歌を聞いた。
CLUB QUATTROができた頃は、泉谷しげるWith LOSERで2人はロックしていた。その頃のかっこいいナンバーも、アコースティックギター2本で、2人きりで演奏された。泉谷の呼びかけで、ライブの後半は舞台前に客が押し寄せて盛り上がる事になった。
懐かしくて盛り上がったんじゃない。20代で出会った頃から、今も2人が持ち続けている何かに、触れて感激したのだと思う。
CLUB QUATTROの30周年を祝福する、良い夜だった。