チョコレートの天使たち

さとうまき

恒例のチョコ募金が今日から始まった。

昨日は、イラクの看護師をトレーニングしてくれる日本人の看護師を口説きに行った。
「行きたいのはやまやまなんですが、家族が反対しているんです。80になる母は、『イラクだけはやめてくれ』って。そして、姉は、『母を悲しませるようなことはやめてくれ』って言うんですよ」

その看護師は、ラオスで活動している。ラオスから帰国したばかりで、現地のよもやま話をしてくれた。訪問看護に行くと、車がぬかるみにはまり、がけから転がり落ちそうになったとか。
「今年は、何回か、もう死ぬんだなと思ったことがありましたよ」という。

言われてみれば、僕は、イラクで死ぬような思いをしたことはない。ISの戦闘地域に行くわけでもなく、難民キャンプは、殺気だっているような雰囲気はあっても、彼らが避難してくる安全な場所だ。
「イラクの方が安全なんですけどね」

新宿駅の地下にあるベルクというカフェレストランで、イラクの子どもたちが描いた絵を展示してくれることになり、搬入が朝早いので歌舞伎町の東横インに泊まることになっていた。どう見ても、歌舞伎町の方がイラクより怖い。客引きのお兄さん、お姉さんに連れていかれるのは、ISに連れ去られるような感じ?

朝5時、小雨ぱらつく中を誰もいない地下道に入り歩いていく。お店の人があわただしくクリスマスのデコレーションを飾り付ける隣で、イラクやシリア難民のがんの子どもたちが描いた絵をかけていく。年末、モスルの奪還作戦やアレッポの攻防戦が激化し、クリスマスプレゼントは、爆弾が空から降ってくるという子どもたちが一体何人いるんだろう。そんな子どもたちこそが天使であり、絵を描いてくれた。

何はともあれ、無事にベルクでの展示が終わり、JIM-NETのおいしいチョコレートもおいてあるので是非皆様立ち寄ってください。
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