アジアカップで寝不足に!

さとうまき

イラクの子どもたちの絵画展を日比谷の画廊でやることになった。2月4日からはじまるので大忙しだが、サッカーのアジアカップが始まり、またまた大忙しになってしまったのだ。

ワールドカップは、ヨーロッパとか南米が優勝するのだが、アジアカップとなると中東の国が結構出てくるから、僕としては親近感がある。特に、前回の優勝はイラクだった。

日本とイラクが対戦する試合を見てみたい。ところが日本はB組、イラクはD組。予選を勝ち抜かないと対戦しない。D組みは、なんと、イラクと北朝鮮とイランが対決。(アラブ首長国連邦は、おまけ?)イラク、北朝鮮、イランといえば、2002年、ブッシュ大統領が一般教書演説で、悪の枢軸と名指しで批判した国。

一体どんな戦いになるのか、とても楽しみだった。何よりも、イラクの試合を日本で生中継で見られるなんて! 僕は夜更かしをしながら、TVにかぶりついていたのだ。時差があり、試合は大体夜中の1時に始まり、3時ぐらいに終わるから、寝不足にはなる。

イラク、イランには敗れたものの、結構頑張って北朝鮮を下し、決勝トーナメントへ進出! 悪の枢軸というレッテルを貼られていても、どの試合もとてもフェアだし、スマート。イラクの友人に電話すると、「みんな、盛り上げって、祝砲を撃ちまくっている! 危なくて外に出られないよ!」と興奮気味。イラク人は、サッカーが好きだ。ガンの子どもたちも、サッカー選手の絵を書いたりしている。ヒーローは、子どもたちを励ますのだ。

翌日、イラク支援の関係者の会議で、「イラク勝って良かったな」と興奮気味で話しかけるけど、「いやー忙しくてねぇ。夜中にTVなんて見てる暇ない。」
えー!あんなに、イラク、イラク言ってたくせになあ。と失望。

残念ながら、イラクは、準々決勝でオーストラリアに敗れる。延長までもつれこむ激しい試合になり、30分延長するとさらに寝る時間が削られるので見てるほうも結構きつい。そして、終わった後にはいつもイラク人から電話がかかってくるから、苦肉をともに戦ったという感じだ。それにしても悔しくて眠れないから、また疲労がたまる。

一方、日本は、どんどんと勝ち抜き、気が付いたら決勝戦。オーストラリアと対戦している。たまたまTVつけたら試合があと10分で終わりそう。「いやー、忙しくてすっかり試合のこと忘れてた!」結局延長戦に入ったので、決定的なゴールシーンも見ることができた。

そして、試合がおわると、イラク人の友人から電話、「おめでとう!」「おめでとう!」メールも来ている。「私は、日本人の素晴らしさに感動しました。あなたたちは誇りです!」と言う感じの大袈裟なメールが何本か来ていた。また夜更かしをしてしまい、体調は最悪。しかし、よく考えたら、試合が終わったらイラク人から電話があるわけだから、どの道起こされるわけだ。

イラク人はいいやつだと思う。ちゃんと試合を見てくれていたのだ。それに比べて、日本人は、本当に、イラクのことなんかあまり気にしていないだろうな。いつか、日本とイラクの対戦を見てみたい。僕はどっちを応援するのかな。