旅行災難

冨岡三智

てるみくらぶ倒産の報道が耳に入る。旅行費用を全額入金したのに、出発できなかった、海外で放りだされたという話を聞くと、旅行は帰ってくるまで何が起こるかわからないものだなあとつくづく感じる。私は同じ目に遭ったことはないけれど、多少の驚くことは経験したので、ちょっとそれを思い出してみる。

●旅行カウンターがない
平成元年、インドネシアのジョグジャカルタ空港でのこと。早朝5時頃に同空港に着き、あとはジャカルタに飛んで帰国の途に着くのみ。ところが、待てと言われた所にはカウンターがない。チェックイン開始時間をかなり過ぎ、やっとドアが開いたと思ったら、従業員らがカウンター数台を押して登場した。夜間はカウンターごと仕舞うシステムらしいが、そんなやり方は想像もつかなかった。出しておくとカウンターから物が盗まれる(あるいはカウンターが盗まれる)可能性があるのかも…?けれど、チェックインカウンターのある部屋ごと警備すればよさそうに思うのだが。

●座席がない(ぎりぎりセーフ)
これは、私はぎりぎりセーフだった事例。上と同じ旅で、無事にジャカルタを飛び立った私はシンガポールでトランジットした。シンガポール〜大阪間の座席の発券はシンガポール空港で行われた。発券機が故障したため手作業で発券作業が行われたが、搭乗時間になっても終わらないどころか、すでに発券された人もまた呼び出されて混乱している。後で分かったことだが、手作業で発券している内に、キッチンスペースやトイレなど、本来席がない場所にまで席番をつけて発券してしまったので、その席に当たった人をやり繰りするのに時間がかかっていたらしい。私はそのキッチンの隣の席が当たったので、ぎりぎりセーフだった。しかし、いくら手作業で発券とはいえ、紙プリントした座席表があればそんな間違いは起こるわけないと思う…。

●搭乗口がない
ここ数年以内にクアラルンプール経由で関空からジャカルタに行った時のこと。クアラルンプールから乗る便もすでに関空で発券済み。ところが、そこに書いてある搭乗口が案内板にない。インフォメーションで聞いて、何人か職員が集まってきて、やっとそれはかつて存在した旧搭乗口の番号だということが判明。関空から乗った人達は皆クアラルンプールで降りたらしく、困っているのは私だけのようだった。しかし、なんでそんなことが最近でも起きてしまうのか不思議だ。