眠る10分前

璃葉

鴉の声がひとつ、ふたつ
カーテンを少し開けて、外を覗いた
宝石のような灯りが点滅している
赤・青・白・黄

眠る10分前
四角く、じめっとした暗い部屋の中で寝転がり
じっと動かず、天井のある一点だけを見つめた
まるで水槽の中の魚のようだ
車が通過するたびに天井を走る細い光は
近づいてきたり、遠ざかったりする
人がつくった光は速く、忙しい

魚は花の夢を見る
想像は、光のなかに消えてゆく

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