朝が近寄る

璃葉

遠くからやってくる音の流れ 
やがて辿り着き、通り過ぎる
藍染めは少しずつ褪せてゆく
釣りをする人
鼻うたをうたいながらのんびり座っている
うたは糸を伝って、疑似餌を泳がせる
魚はやってこない
そよりそより 湿った夜明け前
酸素が回る 
循環はせず、消えてゆく
一本の線
黒い魚

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