羽根のひと

璃葉

電車の中で、大きな羽根のピアスを付けた、
おじさんのようなおばさんを見つけた。
おばさんのようなおじさんかもしれない。
両耳朶に引っ掛けられた黄色と深緑色の羽根は大きく、
ふわふわ揺れていた。隣に座るサラリーマンよりも大きな身体だったが
極端に撫で肩。
文庫本を持つ手は大きく皺だらけで、爪はピンク色だった。
とにかく目立っていた。

決められた制服や目立たない服を着ている人達が多い平日の朝の箱の中で、
独特で鮮やかな格好をした人を見つけるのが少しだけ好きだ。
1秒程見つめると、彼(彼女)達は、私の頭のなかに三日間ぐらい居座っている。

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