風と帝国璃葉 12個の鍵 壊れた時計 眠る兵士達 青白い朝景色に綿花が踊る たくさんの血と骨を失った 城も王冠も その記憶も遠い場所へ旅立ってゆく 山麓や深淵を歩かねばならず 寂しさの影を背負わねばならない 生臭さを漂わせる足跡を残し 絶望を山々に木霊させるだろう しかし確かに国境を跨ぐ足がある 文字をなぞり、繋ぐ指先がある 陽光を吸い込む瞳がある 目指すは、心の奥の帝国 澄んだ風だけを持って行くのだ