宵の地図璃葉 夕焼けは、ゆっくりと暗闇を引き寄せて、ひとつの世界に幕を下ろす 痩せ細った月はどこかへ身を隠してしまった 空想上の化物が今にも出てきそうな 黒に染まる森 蟲達の囁く声 見えない影の煙 静かな、長い夜 聞こえない音に 耳を澄ます 大地は 不安定だ 奥底で、悲鳴をあげながら小刻みに震えている 旅人達は寂しさと恐怖を紛らわすために、詩を唄い 春の木々の匂いを吸い込みながら眠りについた 星は夢を見る旅人達を 東の空へ連れて行く