くすむ霧と璃葉 カラスが夜を吐き出した日 くすんだ霧を頭の中に閉じ込めただろう 手や脳天から漂う空気はその所為だ 思考は悲しい方角へ向きたがる 朝は明るい 明るい光に木々が集まっている サアサアと葉を鳴らしている時 君の中の恐れは淡い靄になっている 次の夜が根から伸びてきた時 孤独の喜びと一緒に君は歩き回る そうしてふたたび流れてくる霧に 君は手をかざすのだ