165ははは、独孤遺書

藤井貞和

現われて、
尾花のかげに跪いたぞ。
庭に俳諧する人、
きみ、老い人。 骨は、
五つに。 めぐる足、七回。
帰結の五体じゃ。 
どうしても、句跨がり、
跨がなくちゃならん。
多摩川よ、おまえは幇助する、
尾花のあたりで。
倒れたぜ、季語をのこして。
これが俳句だ、
あら どっこいしょ。
 
 
(十三行からなる俳句があったってよいじゃないか、季節は秋、季語「尾花」。)