102 翆滅――風車、水車に捧ぐ

藤井貞和

風車をたばんで祈ろう、あなたがいなくなっても、
風は消えない。 くうそくぜしき、声を届けます。



虹を吹き上げて、蟠龍のしっぽがあなたに絡まる。

だから「万有引力」と云うのです。 まんりきで、

あなたの睡りをこじおこすと、石棺よ、

水車の色が散る。 寐覚めの花びらが散る。



もう遅い、まにあわなかったよ。 滅ぶ地上を、

しきそくぜくう、しかと見て去る釈迦牟尼仏弟子。



(61年前の4月28日か、紅白のお菓子が子供たちの机のうえに配られました。7年間という、一国が占領下に置かれるという「体験」は「貴重」であったにしても、沖縄の人々にとっての「屈辱」の始まりであることを知るのは、無論、ずっとあとになって学習によってです。おとといは、琉球新報のサイトの動画による、宜野湾市公園での反対集会をずっと見続けました。東京での記念式典では、どんなに政治家たちが狂奔しても、それは勝手ですが、自然発生的に「天皇陛下万歳」の三唱が起きたそうで、笑えない。朝鮮戦争が続いていました。翌年になり、その休戦とともに「分断」が始まる。日米安保条約が、東アジアでの「分断」の永続化を見越して、サンフランシスコ講和条約発効の同日に締結されました。で、北朝鮮が60年間、戦争もせず、内戦も知らない国になってしまったということは、案外、気づかれません。日本国も、すれすれで68年間、やってませんが、同じように軍事力を有し、国粋主義者もおり、金日成以下の体制は戦前の日本天皇制のまねごとです。東アジアの双生児のような二国、いまに「平和と民主主義」を更新中の、日本と北朝鮮とで、不戦の最長不倒距離をぜひ競争してほしいと思います。中国はしょっちゅう戦争をやってるし、韓国もベトナム戦争で多くの兵士を死なせています。北朝鮮はアメリカとの糞詰まりの敵対関係を、日本に代わって押しつけられました。日本の植民地だったというような認識のない北朝鮮にとって、「内鮮一体」の延長上に(「内鮮一体」が終わる約一週間〜十日まえですから)、広島の、長崎の原爆は朝鮮半島のうえで炸裂した核爆発でもあります〈事実、マッカーサーは朝鮮戦争時、何度も原爆を使用しようとしました〉。アメリカを攻撃するために核弾頭を持とうとする北朝鮮の理屈を、安倍は見誤り、民主党政権も見誤りましたが、政治家たちの頭はちょうどその程度でよいのです。掲げた作品は以上と無関係。61年後の4月28日を私なりに記念、祈念。)