181 お魚の台敷き

藤井貞和

お魚の台敷き

一人用の盆

ふとんかんそうき

そわかの剣

思いをのせて

今日か  別れの

まなびの宿

山いただきより

南天を見よ

カノープス

フォーマルハウト

たてしなのてらこや

ひいなたちが寄り合い

夜はほげて

あかときをうつる

さらなる

諏訪のまなび

変成(へんじょう)紀

世のうつり

首里天(しゅいてぃん)ぐすくが

赤い炎

哀しみを伝え

物部(ものべ)の神子

えんねんの舞い

花まつり

かぐらの村

わかきらも  わかからぬらも

つどうまなびの宿

(蓼科山荘をたたむと、山本ひろ子社中より連絡あり、お魚の台敷き、一人用の盆、布団乾燥機、そわかの剣など、すべて分け与えられる、と。南のかた、富士のかなたには、カノープスまたフォーマルハウト。縄文びとはかならず富士の見えるところに集落を形成したと、井戸尻考古館のもと館長の言うところ。新・諏訪学へと思いを継ぐ。「夜がほげる」の意味、不明。10月末、首里城を焼く。この悲しさには言葉がない。組踊り、いざなぎ流の神子たち、延年の舞い、花祭り、山ふところの神楽。)