チドリアシで帰ってきた(翠の虱34)藤井貞和 暗いな、 チドリの脚もとがぼおっと明るくて、 暗い砂地 酔っ払って歩く、 千鳥足 浜をゆけば、 しばらくそうやって、 あっと思い返す、 韻(ひび)きの糸 (砂地の上の虫などを捕らえるときに、一旦、無関係の方向に行くと見せかけて、いきなり急襲するという習性のためだって。敵が卵やヒナに近づくと、親鳥は負傷してもがいているようなふりをして敵の注意をひきつけ、巣から遠ざける。この行動は擬傷(ぎしょう)行動と呼ばれる、と。フリー百科事典からの引用。)