琉歌の巻──緑の虱(6)

藤井貞和

チュラヘノコミサチ
イクサキチネーラン
ウミンチュヌククル
フニヲマブラ

ハチハチハチルクヌ
リュウカワチヌブイ
ウミヌマブリカン
ザンヨアスバ

ウミンチュヌハタヤ
コウギヌサンビャクニチ
ナミヌマチウドゥイ
ヌチドゥタカラ

(沖縄国際大学では米軍ヘリコプターのつっこんだ一号館わきの宿泊施設で2日間、泊まってきました〈奄美沖縄民間文芸学会公開講座〉。翌日、辺野古岬テント座り込みに参加し、さらに海上をリーフまで出て、オジー、オバー、ウミンチュらが、防衛施設局のつくったやぐらを占拠しているところへ行って、チバリヨー。帰りつつある私の船に、オバーのひとりが「私たちのやってることは限界があります。一日延ばししているのです。みなさまにそのことをつよく訴えてください」と、風のなか、叫び返してくれました。防衛施設局の船がマイクで、「観光気分で来ないでください」と遠くから。すっかりこのじゅごんとマングローブとのたわむれる海を私は「観光」してまいりました。漁協のなかには賛成派もいるために村をまっぷたつに分けたかたちです。やぐらの上からくろいかたまりが海に落ちてきたので何かとおもったら編みかけの編み物。オバーたちはからだをしばりつけたまま、しっかり編み物をしているんですね。抗議は〈8年と〉344日目にはいっていました。)