そうそう、草食系男子に慕われる件です。
おさらいをしておくと、草食系男子というのは「表裏がなく内省的で繊細、争いや活動に消極的で、和を尊び、自分の趣味や世界を大事にする」男の子のことなんですが、あらためて振り返ってみると、私はそういう年下の男の子に慕われることが多いような気がします。定義的にも実際にもそういう子ってあまり人と群れないはずなんですよね。
確かに普段づきあいも普通に少ないような気もするんですが、それなのにそのちょっと出てきた稀な機会なんかでは、私についてきたりなんかして。ああ、これは慕われるというよりも「なつかれる」に近いのかもしれません。
考えてみるに、オトメンと草食系男子はちょっと趣味みたいなのが似ていることがあって。そういう点で「自分のことをわかってくれる」人と草食系男子から思われる上に、オトメンはそういう消極的な人間が相手だと(義務感もあって)かなりリードしたり引っ張ったりするので、そのあたりが原因なんじゃないかと。
つまりオトメンは草食系男子にとって兄貴的立場に当たるのだと。そのへんは他のオトメン連中を見ていても、たいていそんな感じだと思います。
そもそも草食系男子の人見知り率はとんでもなく高いんですよね。繊細だから、なかなか人に話しかけられないというか、関係を築けないというか。その代わりオトメンは社会的関係については割と普通というか、今までの男の子っぽいというか。
同年代か年下の人間だと初対面から積極的に話していって、一度会った人はもう友だちで、それからいくら間が空いても対応にさほど変化がないし。毎日会ってようが一年に一度会おうが違いがないとか思ってる人が多いです。
相手が年上だとかなり空気を読んでいこうとするかも。礼儀を重んじるというか、あまり出しゃばらないというか。それでいて、信頼されている相手だとか、認められている場だとかだと、かなり前へ出たり、はっちゃけたりする。基本的に相手の話をちゃんと聞くので、年上にも気に入られることが多いのかもしれません。
……と考えたところで、ふと気づいたのですが。私の知っているオトメン連中(もちろん私も含めて)って、みんな少年時代に武道だったりスポーツだったりをやっているな、と。空手だったり剣道だったりアメフトだったり。どれも礼儀とか上下関係に厳しそうなやつですね。
そんでもって草食系男子はだいたい文系で、部活動も文化系。それってどっちかというと趣味の延長みたいなものですよね。(というと語弊があるのかもしれませんが。)
そうするとあれなんでしょうか、つまりはオトメンも草食系男子も元々の根っこはあんまり変わらなくて、今風の、当世風の男の子なんだけれども、成長過程での経験の差がその後のあれに関係しているんでしょうか。
武道とかスポーツとかをやっていると、公共の場とか、上下関係とか、自分の役割とか、はたまた「試合」みたいなものを強く意識するようになりますよね。(そうだそうだ、よくよく考えれば目上の人との関係で「挨拶は自分から、話は相手から切り出されるのを待ち、よく聞く(そんでもってあまり質問しない)」って武道の師匠弟子関係そのものじゃないですか。)
思春期に自分の世界にどっぷりとつかるか、それとも武道やスポーツの世界に出て行ってるのか、そういう違いなんでしょうね、きっと。なるほど。いろいろと腑に落ちました。今では昔みたいに少年はみんなスポーツやる、みたいな感じじゃないですものね。中学高校でも文化系の部活は増えてきてますし、帰宅部もOKですからね。
とりあえず個人の性格的差異は別にして、今の男の子はファッションにも興味があるし、甘い物も好きだけれども、そういう子は何の部活をやってたかで、草食系男子になるかオトメンになるか変わってくる、というのが私の結論ということにしておきます。
あれ、だんだん男づきあいの話から離れちゃってますね。そうでした、他にもいますよ、いわゆる「昆虫系男子」と言われる人とか、「理系男子」と呼ばれる人が。
昆虫系男子というのは、草食系男子が「恋に消極的」と言われるところへの比較として出てきた言葉で、「恋には積極的」なのに、いろいろな理由があって「無視(むし)」ばっかりされるから「昆虫系」なんだそうです。うん、いますいます、そういうやつ。
そういう男とオトメンの関係はどうかと言うと、昆虫系男子から見て割とオトメンはおしゃれなので、こいつなら恋がわかるんじゃないかと思われて相談されるんですよね。草食系の人たちは消極的だけど、それにひきかえオトメンは社交的だし、お前だったらモテるんだろうからその秘訣を教えてくれ、みたいな。
でも、オトメンは恋愛の話は大好きなんだけど、そもそもが武道の人・スポーツの人だから、どこか無骨なところがあって恋愛にはかえって朴念仁。だから相談したところでアドバイスも的はずれで何ら参考になりゃしないっていう、まあ、そういうどうしようもないところに行きがち。てゆうかそもそも恋愛でモテることと、うまく行くことは別物だろうということを気づいた方がいいんだと思います。
理系男子は……ちょっと草食系男子に近いところがあります。いや、ほとんど同じか。でも、普通の草食系男子は、その趣味がいわゆる「文化」的なところへ行きがちで、音楽とかアジアンカルチャーとか、アートとかそういうのです。だから草食系男子ファッション、なんていうものがあるとしたら、私は割と容易に想像がつきます。ああ、だいたいああいうのね、という。
けれども理系男子の場合は、確かに草食系と同じで自分の世界を大事にするんですが、そういう「物」としてわかりやすいカルチャーに趣味が行くんじゃなくて、「数学」とか「物理」とか「生物」とか、そういう方向に飛んでいくんですよね。だから草食系とは違って身だしなみに気を遣わなかったりとかするんですが、これってたぶんどういう対象に興味があるかの違いになるんでしょうね。
いや、わかりやすい「レッテル」の話になってるんですが、まだもうちょっと続きます。いや、もしかすると続かないかもしれません(苦笑)。