1/4 ガロンの牛乳パック

今年も旧の七夕の墓掃除を済ませたあとからすこし、風が涼しくなった。八月ももう終わりではないか、前々から懸案のささくれ畳を一気に替えてしまおうということになった。ここに住むようになって十二年、畳替え、というのを初めてやった。畳の部屋が二つで全十六枚全部取っ替えた。この借家の畳、一枚一枚が微妙に幅と長さが違っている。だから八畳間とはいえない。同じ畳八枚が敷かれている部屋だが微妙に広さも違う。まあ家賃も十二年値上げ無しだからそのまま住んでいるけど、畳替は自腹だと、大家。

畳替えとなると畳の部屋にあるものすべて移さなければいけない。一番物が多い板の間に。それで板の間がえらいことになっている。まだ片付いていない。新しい畳が敷かれた部屋は物が少なく広くなったのでなんとかこの広さを保ちつつ、捨てるものをいろいろ探している奥さんにこの家で「一番物を持っているのはあんたよ!」と責められる。十年くらい前、CD類は千枚超えないように、と定期的に数えていて聴かなくなったものはどんどん処分して、八百枚に抑えていたけど、いつの間にかその縛りも解けてまた増えはじめている。何年も数えていない。一年前にずいぶん処分したけど。買ってまだ読んでない本もたまってきた。休みの日はただただ寝てごろごろするのに時間を使うから本読む時間がない。畳が新しくなると余計にごろごろの時間は長くなるわさ。今の畳替えは畳屋さんが朝来て畳を全部車で持って行き、機械で表替えされたものを夕方に車で持って来て敷いてしまう。そうか、現場作業ではなくなったんだ。ドカベンの山田太郎のおじいちゃんのような畳屋さん、というのはもう遠い昔のことなんだ。

ごろごろしていると八月が終わりすぐ旧盆に入る。スーパーでは旧盆の必需品、線香、ウチカビ(あの世で使うお金)、最近はウチカビを燃やすための専用のボールも売っている。肉屋では豚の肩ロース肉、三枚肉がブロックではだかのまま並べられ、豚の中身のボイルも計り売り。子供の頃はまだ肉屋さんは斤を使っていたけど今、斤を使うのは食パンくらいか。でも牛乳のパックは1000mlではなく復帰前とおなじ946ml=1/4ガロンのまま。