目の前の紙を見つめる
指の腹で感触をたしかめると、ざらざらと音がした
三角、四角、ダイヤ型、石の中の影の形を思い出し、連なりを描き出してみる
先を考えずに、赴くままに
太陽が雲に隠れると、部屋は一瞬にして蒼くなり、
涼しい風が窓から玄関へ通り抜ける
そのうちまた陽が照って、明るくなり、の繰り返し
こちらも幾何学模様を繰り返し、時間も円を繰り返す
ふと頭のなかに、あの地の祈祷旗が浮かぶ
真っ青な空の下、流れるタルチョー
風によって繰り返し読まれる経文
絵を描くこともなにかを唱えているようだ
思考はどこまでも旅をして、明るい場所を探し求める