テッド・ロビンソン

笠井瑞丈

今日突然友人から
連絡がきて
カナダの振付家
テッド・ロビンソン
亡くなった………….!

僕がテッドと初めて会ったのは

二十代の時に
初めて受けた

ダンスオーディション
そのオーディションは

今でも忘れない
八月の暑い日
新宿村で行われた

このオーディションは
カナダと日本で行われる
ダンス公演のオーディション

四人のカナダ人の振付家が
日本人ダンサーを振付ける

そのダンサーを探す為

四人の振付家が
日本に来ていた

その中の一人の振付家が
まだダンサーが決まらず
急遽オーディションが
行われる事になった

そしてテッドは
その他の三人にいました

テッドはもう出演ダンサーが決まっていて
オーディション当日たまたま見学に来ていました

オーディション翌日
事務所から電話をいただき

落ちたと連絡を貰いました

勿論多少なり落胆しました
受かる自信もなかったので
「はい分かりました」と
すぐ受け入れる事が出来た

しかし先方から

見学に来ていたテッドがあなたに興味を持ち
是非私の作品に出て欲しいと言っていますが

テッドは当初女性のソロ作品を考えていたけど
あなたが出てくれるならデュオ作品を作ると言っている

出る気持ちはありますかと聞かれ

僕は勿論迷う事なく
出演させてくださいと言いました

これが僕とテッドとの出会いです

そしては翌月カナダに
一ヶ月行く事になった

テッドの作品に出られた事で
色々な国を回る事ができた

そして僕のダンスにおける大きな道を作ってくれた
そして今日までずっと交流も続けてきました

テッドと過ごした時間は本当に貴重な時間だった
そして多くの事を学んだ
テッドとの思い出は書ききれない程にたくさんある

その中の一つ

『もしあなたがダンスで迷う事があればいつでもカナダに来なさい あなたの気が晴れるまで僕はあなたをサポートするよ』

その言葉がずっと忘れられない
いつも優しい笑顔でいたテッド

ありがとう