挑戦

笠井瑞丈

今年最後の挑戦
自分よりも一回りも違う振付家
カンパニーへの出演
あまり僕はヒトの作品に出る事を
してこなかったと思う
してこなかったと言うよりも
あえて避けてきたのだ

なぜならあまり上手に
踊れる気がしないからだ

いままで出てきた数少ない出演も
僕はいつも若い方の立ち位置であった

しかし気づけば今回は僕が一番の年長者

一番下だと二回り下の子もいるし
ほとんどの子が十歳以上離れている
振付家そして周りのダンサーは
僕に気を遣ってくれる
だからなるべく僕も
気を遣われないように
振付家と周りに気を遣う

そうなると不思議と
作品に参加する仕方も
今までとまた
少し違ってくる

俺は一番年上なんだと言って
偉そうにする訳にはいかない

自分も一つの見本になれるように
ならなければいけないと努める

今思えばそのように
先人の先輩方がそうしてくれてた事を思い出す
いつもいい空気を現場に運んで来てくれてた

世代の違う人達との交流
本当に色々学ぶ事が多い

自分には持ち合わせてない感覚を
そして動きもとてもダイナミック

僕は不器用だけどまた
こうしてヒトの振付を踊る
喜びを噛み締めて
舞台に立っている

ここがきっとまた
新しいダンスの
スタートライン

来年は50歳だ
もう若くはない

でも挑戦は続けていこう