5月

笠井瑞丈

久しぶりの連休
思い立って水上温泉に向かう
以前は群馬四大温泉地と呼ばれ
バブル時に栄えた水上温泉
しかし今はかなりの廃墟化が進み
現在ではバブルの遺産となる
駅前のお店はほとんどが閉まっており
廃墟化した旅館があちらこちらに
もちろん営業している旅館もあるが
きっと一時期の来訪者と比べれば
とても少ないのではないだろうか
栄えていた時のことを想像し
夜の街をぷらぷらと散歩する
若者むけの飲み屋やバーの光
足湯などから上がる湯気の煙
夜の街を綺麗に光り輝かせる
ここにも人々の生活がある
街は亡くなってるわけではない
むしろこれから復活する力を
蓄えているようにも感じた
いつか行った鬼怒川温泉も
廃墟化が進んでいたけど
あそことは違うものを感じる
また来ようと思う

初めて芝居の舞台に出る
5月中旬劇場でプレ稽古
初めて会う演出家と共演者
中には何人か知ってる人もいたが
やはり初めての現場は緊張する
おまけに芝居となればなおさらだ
今回この芝居に出る経緯
ダンスシーンを振付する
振付家が知り合いだったため
出演のオファーが来た
少し悩んだが
今まで芝居そして
商業の舞台は
ほとんど出たことが無かったので
新しい挑戦だと思い出演することを決めた
簡単な自己紹介の後演出家の意気込みを聞き
すぐに稽古に入る
簡単な体を動かすワークショップ
そしてセリフの練習
初めての経験ばかり
本稽古は6月からだ
どのような舞台が作られていくのだろうか

久しぶりのセッションハウスでの公演
そして初めて出てもらう三人のダンサー
そして初めて作品全部を即興にしてみた
簡単のルールを決めそれに沿って即興で踊る
最近あまり振り付けすことに気が向かない
いつも同じものしか出てこない自分が嫌になる
その瞬間に生まれるもの
その瞬間に亡くなるもの
踊りというのはそんな感じがする
振付をすることで何かを固めてしまう
自由であり不自由でなければいけない

あと少しで今年も折り返し
きっと未来は明かるい