むもーままめ(42)心火

工藤あかね

わたくしの痛ましい心臓が
湖面に映る木漏れ日の
砕け散った水晶を踏みしだく

わたくしを律する電気信号が
無為の人々に妬ましさ募らせ
朽ちた石像の薄ら笑いに震える

あなたにはこの十字架が見えぬのか
誰もが憐れみ、蔑み、弄ぶこの荷は
わたくしが肩代わりしているのに