年度末に

仲宗根浩

三月になると地元の新聞では沖縄戦の記事が多くなる。そんな中「沖縄県の離島から住民避難・受け入れに関わる取組」というのが発表されてた。「訓練上の想定であり、特定の有事を想定したものではない。」との但し書きがあるがまあ特定のあそこの有事であろう。一日二万人の輸送力で六日で十二万人避難が可能とあり、その間本島は屋内避難。マジっすか!六日間屋内すか。屋内で耐え忍ぶのですか。どこかの村長さんが言った「差し違える覚悟を」は持たなくて屋内でいいんですよね。で、六日間屋内でじーっとしているんですね。その間は電気や水道は有事なのでもちろんないっすね。食料含めあらかじめ自分らで備えてじーっとしてればいいんですね。避難先にはWi-Fi提供の検討とありますが本島はどうなるんでしょう。有事なのでそこまでは無理ですよね、本島は。屋内にいなくちゃいけないので。「一戦交える覚悟」も必要ないですよね。

年度末の職場で、「仲宗根さん、水が出ないです」と。二階の水まわり、トイレを確認すると出ない。トイレに使用禁止の張り紙を出すよう指示して、上長に報告すると加圧ポンプじゃないか、と言われる。あの地下深いとこにあるやつか。深いとこに降りる。四、五メートルあろうか、階段などない。コンクリートむき出しの垂直の壁に鉄筋がコの字に下のほうまで打ち込まれ、怖い。年齢を重ねると微妙に高いのが怖い。ゆっくり降りてポンプが動いていないのを確認する。電源が落ちている。地下から地上に上がりブレーカーを探す。見つけたブレーカーは漏電で落ちている。ブレーカーを上げるとポンプが動きだし、水は出始めたが時間がたつとブレーカーが落ちる。ブレーカーを上げる、落ちるをしばらく繰り返す。ポンプは切り替えスイッチがありどちらにしても落ちては上げを繰り返す。上長が到着、別の切り替えスイッチがありそれで片方だけ動くようにしたらブレーカーは落ちなくなった。営業終了時間までもちこたえ、あとは明日にとなった。二週間前の点検で異常があるのを知らされたらしいけれど放置されたまま。年度末に職場で有事と戦う。もうあの地下は降りたくない。あの高さ、むき出しのコンクリートの壁と床は怖い。