音楽の必然性

大野晋

年末も恒例の第九に止まらず、さまざまな実演に触れることができた。それぞれを論評することはここではしないが、非常に魅力的な演奏で感動した。一方、現在進行形で、年末の片付け(というか、私の場合には夏の引越しの後片付け)で、ステレオから流しているいろいろなジャンルの音楽にも、気分を引き立てる働きを感じている。

こうした音楽の働きについて、近年では研究が進んでおり、脳科学、認知心理学の分野から様々な解析が進んでいる。つい最近、書店で見つけた本もそういった知見に基づいた本で、非常に面白く読んでいる。
一冊はレヴィティンの「音楽好きな脳」で、もう一冊はフィリップ・ボールの「音楽の科学」。内容を見ていくと、西洋音楽の視点から論じている部分があって、日本音楽や琉球音楽の独特の音階を普段から耳にする我々には少し違和感のある部分があるが、なぜ、人が音楽を好むのか、なぜ、人はある音を聴くと不快感を覚えるのかが分かって来るのかもしれない。

さて、年末ぎりぎりで、2011年の懸案事項である引っ越し荷物の片付けが終わり、蔵書の全貌と蔵CDの全貌と、それを聴くための準備が終了した。

ほっとした新年です。明けましておめでとうございます。