夢への切符璃葉 風がごうごうと吹く窓の外を見て、 怒っているようだ、と思いながら 煌々と輝く部屋の電気を消した。 カーテンの隙間から、真っ暗な部屋の中に こっそりと夜の光が入り込む。 布団に潜り込み 暗闇を見つめていると 時々、外を走っている車のライトが次々と、 小さい菱形のような形に姿を変えて天井を駆けていく。 なんだか光の競争のようだ。 ぼんやり、それを追いかけていると いつの間にか夢の中で、 光を探して三千里、という話が出来上がっていて、 真っ黒な月と星の下で旅をしている私がいた。