葉裏のキーボードを、
かぜがさわります。
なんだか通信したそうにして、
メールがやってくる。
葉裏のパソコンが、
かたかたと打っている、それが、
ここから見える。
葉隠れの術という、ははは。
せつじつなメールが、
交わされている。 「基地」
を「墓地」と打ち間違えている。
返信したそうに、
しばらく鳴って、
動かなくなる、あなたはだれ。
(フリーズ、ことし。誕生日のうたがどこからか流れる、あした。だれかの書き損ないは、わたし。わたしの書き直しは、あいつ。あいつの書けなさったら、おいら。おいらを書き終えるえんぴつ。パソコンが内蔵されていて、書けなくなる日のプログラミング。火を継いで書きましょう、知らないなかま。おやすみのキス。)