黒糖とひまわりくぼたのぞみ 波照間の黒糖のかたまりを 口に放ると まぶたの裏に浮かんでくるのは 凍る黒土の平原に ちから尽きて 毛なみも荒れた まぼろしの山羊だ 青と黄色の おだやかならぬ空に向かって 見開かれたふたつの眼球を 横に切る 弓形の月が 青と黄色の おだやかならぬ空を映しながら 命は ふたたびの 理不尽な争いに やがて 怒り咲くひまわりとなり 一面を埋めつくし 無数の種となって きみのポケットに還ってくる